「アイドル、かくの如し」

今公式サイトを見て気がつきましたが、はからずも大楽だったのですね。

宮藤さん主役で岩松さんの作演で、という知識だけで行ったので(いやそれ以外の情報も入っていたかもしれないですけど見る頃にはすっかり抜けて)、宮下今日子さんが出ていてびっくりしました。なんだろう、あんなに銀座のママ然としたところが似合うとは(笑)

岩松さんの作品の、小さい火花がばちっ、ばちっと起こるような台詞のやりとりは個人的に好みではあるんですけど、なんというか舞台上の関係性がもっとぎゅうぎゅうに詰まってみえてこないと、その火花を楽しめないところがあるんですよね。劇場の大きさもあるかもですが、キャストにところどころはまってないところがあったのも要因かも。

ラストシーンのひとつ前で終わらないのが岩松さん節なのかなあ。枯葉のシーンとてもよかったので、うわあここで終わりなんて美しい!と思ったらそうはいかなかったっつー。つーか最後がもっとも不穏で不吉だった。ひやー。

しっかし実際のところこれ以上ない宮藤官九郎シャツ祭りだったので、もうこれだけで元は取った!と言っても差し支えないです私の場合。あの細い身体でだらしなくシンプルなシャツとかでこられちゃさーー!あはーん宮藤さんかっこいいシャツをまくった手の感じとかちょうイイ、みたいなことで脳内が忙しかったことをここに告白しておきます。ほんとにかっこいい役なので、ここまでド直球に「かっこいい」の球を投げ続ける宮藤さんに思わずエール。

津田寛治さんよかったなー。薄味じゃ当然岩松戯曲は乗りこなせないと思うんですけど、ただ味が濃けりゃいいというものでもないので、振り幅といいそのあたりのさじ加減絶妙でした。舞台にあまり出演されている記憶ないんですけど、声も通るし滑舌はいいし、いやーもっと舞台で拝見したいと思う役者さんでした。あと伊勢志摩さんのキレ味は相変わらずすばらしいですね。