「七年ぶりの恋人」ウーマンリブ

  • シアタードラマシティ 2列25番
  • 作・演出 宮藤官九郎

七人の恋人」「七人は僕の恋人」に続く第三弾。そして、私はこの前の2作品を観ているのだが、おそろしいほどに覚えていない!これは加齢ですか。加齢ですね。

しかし、宮藤さんほどのひとになると、もはや「自由闊達にコントを書く」よりも、なんらかの縛りがあるほうが書きやすかったりするんでしょうか。今回はすべてのコントのタイトルが80年代アイドルソング、そして舞台の大きな枠組みにも「往年のアイドルの復活」がかけられているという。自分のblog読んだら「七人は僕の恋人」はぜんぶ映画のタイトルだったって書いてた。ほらーやっぱりなんでも書いておくものですよネー

この人を観る度に毎回思っているような気もするんだけど、阿部サダヲというひとの瞬間風速というか、もっていくときの総ざらえ感というか、やっぱり破格のものがあるなと思う。舞台挨拶コントの司会者のようなぶっ飛んだキャラをやってもそうだし、逆に普通のサラリーマンをやっていてもべかーっと輝く時は圧倒的に輝くものなあ。今回、キャストが全員大人計画劇団員だったので、どのコントも阿吽の呼吸、という仕上がりを楽しめてよかったです。皆川さんも良々くんももはや「安定感!」とルビをふりたくなる仕上がり。しかし、キャストが全員劇団員であっても、大人計画っぽいかというとやっぱ違うので、宮藤さんと松尾さんて円として重なってる部分も勿論大きいけど、そうじゃない部分もけっこう大きいよなーと改めて実感したり。

阿部サダヲの瞬間風速ってさっき書いたけど、個人的には池津祥子というひとは時にそれを凌駕するパワーがあるよなと思っていて、今回もあの、駐車場でのあの会話、ものすごいシュチュエーションなのにまるでトレンディドラマか!みたいな台詞でたたみかけるところ、ああいうシーンの池津節とでも言いたくなる力強さがほんと大好きで、そういう池津さんがたくさん観られて嬉しかったなー。もうひとりの女性キャストである伊勢志摩さんも相変わらずのパワフルぶり(CR伊勢志摩名作ですよね)、大人計画の女性陣ほんと大好き。

カーテンコールというのか、最後のコントというのか、サダヲちゃんが司会になってキャストそれぞれに話振ったりしてて(あれ毎回違うと思うんだけど)、宮藤さんに「(この作品を)書いて、演出して、出て、それでこのあとラジオ(ANNG)でしょ。あと5年ぐらいでしんじゃうんじゃないかとおもいます」って話をふって、宮藤さんが「さっき皆川さんとキスするコントで、皆川さんが小声で「だいじょうぶだ、だいじょうぶだ」っつーの聞いてたら泣けてきたよ、なんつー本書いてるんだって」サダヲ「泣ける話ですね」宮藤「そう、これはやってる方が泣ける芝居です!」ナイスコンビぶりを最後にありがとうございます!