「大パルコ人4マジロックオペラ 愛が世界を救います(ただし屁が出ます)」

パルコオリジナルロックオペラシリーズも第4弾!早いもんだよ。そして「あまちゃん」以来の宮藤さんとのんちゃんのタッグ。2044年の戦争で崩壊した渋谷の街の11年後が舞台。

ダイバーシティを、多様性を描くんなら、ど真ん中ドノーマルの立ち位置も書きたいよっていうのが宮藤さんだなあと思うし、全否定が全肯定にオセロのごとく裏返るのなら、そりゃ屁が出るぐらい言わせておくれやす、それが俺の精一杯でやんす、という、宮藤さんの含羞がはしばしに感じられる作品でした。相も変わらず登場人物みんな突き抜けとる。

とはいえ、多分いまは自分の心情的に、ツイストの効いたものよりもドストレートに殴ってくれる方が心地よく受け止められる(現実が不条理だと人間はわかりやすいものを求めるという、アレですな)感じで、自分の「おもしろがり」力がだいぶ低下してるなーというのもひしひし感じた次第です。

キャスト、伊勢志摩さんと荒川良々さん、そしてみんな大好き藤井隆さんの輝きぶり、すごかったですね。三宅さんもですが、どんな球も拾い上げる達人の技を見ているような感じだった。大江三千里絶妙すぎたし、こう見えて大江千里楽曲は思春期に聴きこんでるんで、幕間のSEにひとりでによついてしまいました。「歌うわよ!」が最後まで効きに効きまくってたなあ。のんちゃん&虹郎くんのフレッシュさを芯に、演劇モンスターがあの手この手を繰り出す感じ、すごく楽しかったです。