「ア・ラ・カルト アンコール!」

昨年いったん幕となったアラカルトが、青山円形劇場閉館前に「アンコール」として復活、その復活公演が今年2月に13年ぶりに帰ってきた近鉄アート館で上演。大千秋楽を迎えました。

甘い記憶、sweet memory menuということで、過去に上演されたアラカルトのメニューの中からの傑作選のようなスタイル。ROLLYがゲストででたときの「シングルモットーの会」のやつ懐かしかったなー。奥寺くんの告白が佳境に入ってからの陰山さんの「あ、これホームページあるんですねー」最高でした。笑いました。ロマンスグレーを絵に描いた!みたいな陰山さん、ギャルソンスタイルやっぱりちょうお似合い。

「このレストラン」の立ち退き問題について一説ぶつタカハシがいつの間にかあの議員に寄っちゃうやつ、高泉さんすげえうまい(笑)このアラカルトの数々の名物料理はこの高泉さんの変幻自在とでもいうような芝居ぶりに寄って立つものがたくさんあったなあということも懐かしく思い出しながら見ました。

ショウタイムではなんといっても陰山さんのwatermelon man再び!に場内やんやの大喝采でしたね。そしてROLLYアヴェマリア。あのギターと、ミラーボールと、彼の声だけになった瞬間の、なんつーんだ、魔法としかいいようのない、ほんとに自分とステージ以外の全部が溶け去るような瞬間を感じられるのすごい。

陰山さんがゲストだったので、あのたばこのシーンをやるかな、と思ったのですが、やらなかったですね。本多さんがテーブルの火を吹き消して、最後のひとつでたばこに火をつけようとするけど、そのキャンドルを若いギャルソンがさっと引きとり吹き消してしまう。もう一度、あの(私にとっては)アラカルトを象徴するシーンを見たかったという思ったり、これでよかったと思ったり。あれはあの頃のアラカルトのものなんですよね。

マダム・ジュジュが仰ってましたが、このアラカルトは480ステージを数えるそうです。遊機械はいわゆる「小劇場」の劇団の一角をなしていたわけですが、しかし25年以上の長きにわたり、ひとつの演目でほぼ500を数えるステージを上演し続けるというのは、同世代の誰もがふみいれたことのない境地で、それはひとえにこの演目への、創り手の持続と情熱がなければできなかったことです。アンコール公演の大千秋楽、観客はスタンディングオベーションでステージを讃えましたが、それはまさにその持続と情熱に対して贈られた拍手だったと思います。