- 浅草九劇 C列13番
- 作・演出 福原充則
新しくできた浅草にある劇場「浅草九劇」こけら落としでベッド&メイキングスの新作!3月のきつきつのスケジュールの中がんばって行ってきました。新しい劇場なので、トイレが少ないとかロビーが狭いとかいう前情報にどきどきしつつ、慎重派のわたしはつくばエクスプレスの浅草駅を利用(遠征組は東京から秋葉原まで移動して乗り換えなのでむしろこっちのほうが便利かもしれない)、駅のトイレをお借りして準備万端!
あの最初のシーンでいきなり本水を使ってしまうところ、演劇のお約束を逆手に取ったメタ構造のギャグ、あの狭い劇場の空気も相俟って、自分が最初に芝居を見始めたころの、それこそ扇町ミュージアムスクエアや近鉄小劇場で観た「あの頃」がなんだか匂い立ってくるようで、正直なところ芝居の中身そのものよりも「目の前にあるもので目の前にない世界を動かす」みたいなどしゃめしゃなパワーがいちばん心に残っています。息子と夫を亡くした女性の、そこにたどりつかなくても、そのぎりぎり、いちばん近いところまで行ってみたい、というあのセリフがこの芝居の世界を象徴していたように思えます。
八嶋さん、まるで水を得た魚というか、この空間を支配するパワーもテクニックも申し分なし。でもって山本亨さんがいることで出てくる「つか芝居」の空気!たまらんもんがありますね。
コヤの空気としては嫌いじゃないどころか、ああいう雰囲気にぐっときちゃうところはやっぱりあるので、あと立地がいいので帰り浅草を満喫して飲んだり食べたりアフターも楽しめるという点でも、これからいい芝居をどんどんかけていってくれるようになったらいいなと思っております。