- 青い鳥A・LIVE ドーンセンターホール 全席自由
- 作 葛西佐紀・芹川藍 演出 芹川藍
前回の「Tokyo,Paris,London,SAKURA」があまりに好きだったんで、これを東京で去年やったときも見たいなあ、と思っていたんですがこんなにタイミング外してきてくれました(笑)どうもありがとう。ポロロッカというのは月の引力でアマゾン河を大迫力で海水が逆流する現象のこと。お客が帰った後のレストランの厨房・真夜中のコインランドリー・人生相談のカウンセリングルームを舞台にしたオムニバス。
いかにも青い鳥らしく、というのか、今回もまあ不思議な作品でした。Tokyo〜の方が勿論好きだけど、その時も書きましたが芹川藍さんの演出というのはもう本当にうっとりするほど絵的にキレイなので、それを見るだけでも心地よい陶酔感。ホリゾントを効果的に使うことが多いんだけど、人物の配置とか、椅子の座り方とか、そういう構図が完璧なんですよねえ・・・。美しい。舞台の上で美しさを見せる演出という点では私の中で野田秀樹と張るぐらいだ。言い過ぎか。
一番好きなのはカウンセリングルームの話、次がレストラン。っていうかコインランドリーは映像だしなあ。あれどうなのかあ。その点はちょっとがっくり。物語の中身にどうこう言えるほど理解は及んでいないのでなんなのですが、せめて役者で見たかった・・・という気がします。カウンセリングルームは、二人ずつがちょっとした小道具だけで女子高生・有閑マダム・飲み屋のオヤジに変化していく部分がまず素敵。そして端から見れば生意気だったり我が儘だったりにしか見えない会話の中に、彼ら彼女らの「しんどさ」が垣間見えてくるあたりがうまいなあ〜と。特に女子高生の会話は秀逸だったと思いました。レストランのシーンでのハンコ押し、そしてカウンセリングルームのピアソラのタンゴは、ああいかにもですな!な青い鳥風味のシーンで、で私はそういうワケのわからなさをまだかろうじて「よし」とできる部分があることにちょっとホッとしました。
青い鳥の女性陣の中で一番好きなのは葛西佐紀さんで、今回も期待に違わず良かったんですが、久しぶりに見た上村さん、いや今は天光さんか、の声と立ち姿に改めて惚れ惚れ。レストランのシーンの終幕で、彼女の読み上げるフランス語のメニューに日本語がかぶさるシーンは非常に印象的でした。今年は秋に「シンデレラ」再演でも来てくれるそうなのですごく楽しみ!