梅田でラーメンズまで時間あるなーと思った瞬間なぜかドラマシティの当日券の列に並んでしまっていた・・・おそろしい。本当は映画を見るつもりだったのに。なんでこんなことになっとるんだ。補助席ながらも上手側3列目をゲット。前回見たとき下手寄りだったので、気になっていた表情などもまんべんなく観れて満足。
うーんしかし、どうしてこうもハマってしまったか。好きなんだよな、この芝居。ひとり芝居そのものを結構好きというのもあるんだろうけど。どうやったって観る側に想像力が要求されるわけで、だからこそ自由度が高いとも言える。その自由度は、ある意味「舞台でしか味わえない」ものなんじゃないかなあ。
舞台の最終盤、戸田さんが涙をこらえる場面がたくさんあって、本当に全身全霊で演じていらっしゃるというのがびしばし伝わってきた。「ぼくちゃん」と最期の別れをするときの笑顔、泣けたなあ。最後の方は見ている私も涙が止まらない状態だったです。
この間見たときもそうだったけど、暗転になったと同時に圧倒的な拍手が湧き起こっていて、それは5回のカーテンコールの間少しも弱まることがなかった。こんな言い方すると語弊があるかもしれないけど、カーテンコールの拍手って、ともすればいやらしくなりがちじゃないですか。「なんかやってくれ」「もっとやってくれ」「いつもと違うことやってくれ」みたいなクレクレなカーテンコール、結構ありますよね。私の中にもそういう部分がないわけじゃないですし。でも昨日の会場の拍手は、戸田さん(並びにこの舞台)への賞賛に包まれた、本当に暖かい拍手だったなあと思う。戸田さんは5回目に出てきたとき、「今日は三谷さんは出れませんけど・・・」と申し訳なさそうに仰っていたけど、多分三谷さんを待っていたわけではなかったと思うよ、みんな。
蝶々さんの地元なだけに、大阪でやるのは緊張しますと戸田さんも三谷さんもインタビューで言っていて、でもどうでしたか。多分大阪での公演の方が、圧倒的に熱かったんじゃないかと思う。やっぱり大阪人はね、「芸人」ってやつが大好きなんですよね。「芸に命をかける」っていうのがね、本当に大好きなんだと思う。ベタベタなツッコミ、ベタベタな人情、そういうものが大好きなんですよ。
蝶々さんの人生に比べて云々、という批評や、関西弁のイントネーション云々の批判も耳にしますけど、これだけ沢山のお笑い好き関西人が暖かい拍手を送ったのは、なによりも戸田恵子さんが「ナニワの女芸人」の心意気を見事に演じあげていたからじゃないかと私は思います。
魂の入ったいい千秋楽でした。戸田さん、本当におつかれさま。