エレカシ@ZEPPNAGOYA行ってきました。
すごーーーーーくいい整理番号だったんだけど、会社終わってからのダッシュではそれも意味なかった・・・しかし!けっこう近いところで見られたのでヨシとしたい。トミのドラミングもよく見えてうれしかった。
しかし、たった2年でこうまで状況は変わるのか、とつくづく思った。私が初めてエレカシのワンマンを見たのがちょうど2年前で、そのときはまだ新曲がいつ発売されるかもわからない、といったような状況だったのだ。けれど今、レコ発のツアーをZEPPでしかも平日でこんなにお客さんが集まるなんて、誰が想像しただろうか。
研修に行っている間に東京のJCBホールでやった2本のライブにもいったのだけど、そして4月11日の武道館にも行ったのだけど、武道館以降というのか、この昇れる太陽を完成させて以後というのか、宮本のモードもぜんぜん違うよなあと思ったりした。JCBのときはなんというか、焦燥感だけが印象に残った、という感じもあったのだけど、8年ぶりの武道館で文句の付け所のない、完璧なライブをやってのけ、アルバムもたくさんのひとに受け入れられている、という状況がそうしているのかもしれないけれど、とにかく宮本はほんとうに終始ご機嫌で、ただひたすらに全力で歌を届けようとしているように見えた。
セットリストはスターティングオーバーと新譜からが半々ぐらい、あとBLUE DAYS、暑中見舞(大好きですこれ)、悲しみの果てとアンコールで今宵、風に吹かれて、ガストと大サービス。星の砂がセトリに入っていたと小耳に挟んでいたので、それが聴けなかったのは残念ですが、たとえば絆やハナウタといったできたてほやほやの曲を、「きみたちとおれたちの歌」「君たちに捧げます」なんて言われて、それを本当に丁寧に丁寧に、一音一音かみしめて歌っているさまを見てしまった日にゃ、キュン死にしないほうがムリだろうっていう。
それにしても暑中見舞の歌詞は素晴らしいな。特に好きなのはここ。
俺の両腕いまだ勝利無く
されどこれという敗北も無く
豊かな国の流浪の民よ
転がったまま考えてたのさ
勝利のことやあなたのことを
とりとめもなく浮かんで消えても
幸せと言えば言える
俺たちの憂鬱を
「甘き絶望」とかもそうだけど、宮本のこのはっきりとした勝利か、でなければいっそはっきりとした敗北に身を浸した方がまし、とでもいうようなある種の潔癖さって昔からずっと変わらないんだなあと思います。この部分を歌いながら宙に手を伸ばしたところがすごくよかったなあ。
宮本は歌を歌い始める前に、よくその曲が出来た背景や自分の心情をすごく丁寧に、何回も何回も説明することをやるのですが、今回それがすごく少なくなってた。曲間のインターバルがほとんどない!なんて、ほかのアーティストだったら当たり前かもしれないけれど、間髪入れずに次の曲のカウントをとっている宮本を見ていて、あーもう言葉で説明しなくてもちゃんと伝わってる、わかってもらえてるって思えてきたのかなあとぼんやり思った。
ケラさんが清志郎さんに寄せて書いた文章(まだ読んでいないという方は是非読んでください、素晴らしいので)のなかで、「わかってもらえない青年」のことを書いていたけど、宮本にはどこかそういう空気を身に纏っているような感じが常にあったと思う。わかってもらいたいのに、わかってもらえない、というような焦燥感。けどこの日、ほんとうに心から楽しそうに「バンド」で「ライブ」をやっている宮本にはそういう空気はなかった。今までのファンがわかっていなかったってことじゃない、常にファンはそういう宮本をわかって、そして信じてきたわけだけど、それをようやく宮本が実感したのかな、なんて思ったりもしたのだった。
だからってわけじゃないだろうけど、途中のMCで「よく手紙で『元気をもらいました!』みたいに書いてくれてるけど、俺だってみんなに元気をもらってる」なんて、もう、えっ宮本がそんな!みたいなことを言い出してちょっとあわあわした(なぜに)。でもそのすぐ後で、「なんかそういうこと言うのヤなんだけど」みたいな注釈を入れていたのでああやっぱり宮本だなーって安心した(笑)
しかしあの宮本の、どこにもない誰にも似ていないあの声で歌われたり、噛みつくような顔で「地獄絵図―――!」と叫ばれたり、ギターをストロークしながらパッと手を翻してアウトロの長さを伝えたり、そしてそれに完全についていくエレファントカシマシのメンバーがいて、キーボードをこれでもか!とうならせる蔦谷さんがいて、寡黙にギターを弾きまくるヒラマさんがいて、本当になんてかっこいいんだ、こんなかっこいいことがこの世に他にあるだろうかって思わせる。このかっこよさは決して限られた人のものじゃないはずだ、と思わせる。
RIJFにも行くんだけど、今年オオトリをつとめるとしたら、多分ユニコーンか、もしくはエレカシなんだと思うんですよね。エレカシは過去オオトリの前を2回ぐらいやったことがあるはず。ユニコーンは勿論バンドとしては初登場だけど、民生はロッキンオンの夏/冬すべてのフェスに皆勤というまさに看板だし、方や渋谷社長山崎編集長以下、偏愛といっても過言ではないほど愛されてきたエレカシと、ああもうどっちがきても自分としては美味しくいただけるのですが、ユニコーンは安心して見ていられるけど、エレカシがトリとかなったらもう緊張して胃がでんぐりがえるんじゃないだろうか。って先のこと心配しすぎですか。すいません。そして夏フェスもさることながら、エレカシといえば、の野音がいったいいつ発表になるのか。今から胸が躍るぜ!