「フローズン・ビーチ」  NYLON100℃

どこかの島の、どこかの別荘の、とある夏の物語。女4人の出し抜きたい、助けたい、陥れたい、殺したい、解放されたい、死にたい欲望の渦巻くこってりした16年間。

まあとにかく女優さん4人が素晴らしい。オリジナルキャストで再演なんだから当たり前か。いやそれにしても4人の個性がまったくかぶらず、完璧にキャラクターが立ち上がってますからねえ。ケラさんの脚本のうまさももちろんだろうけど、4人の個人技の高さもすごいと思わされました。

犬山さんはこういうちょっと不思議、な感じはお手の物な気もしつつ、しかしあの突然ぶちぎれる感じが本気でコワイ。いそうだしねえ、ああいうひと。峯村さんは一番変遷がはげしい役だよね。最初の「ちい」はすっごく可愛いんだけど、二幕のアレは・・・もう凄いとしか言い様ありません(笑)なんかもう、別人です。松永さんは今回、いろいろ着替えるし、殺されたりたくらんだりもう大忙しですわ。個人的には愛と萌二役のときの、長いふわふわ髪の時が好きかな。タカビーな感じがなにげに出ていて良かった。ショートになってからも格好いいし、チャイナドレスでぶちぎれちゃうシーンも好きだけど。今江さんは役的にもあんまり感情の起伏とかははげしくないんだけど、さりげなく笑いをかっさらっていくんだよなあ。「見かけほどいい人じゃない」感が出ているのもマル。

最後の狂騒と軽やかに塀を飛び越えていく4人が、あんな4人なのに「カッコイイ」とふと思えちゃうのがすごい。男たちを描いたノーアート・ノーライフのそこはかとなくダメ〜感が漂う感じからすると、あまりにも鮮やかで、やっぱしカッコイイと思ってしまうのよね。