「髑髏城の七人」   劇団☆新感線

イヤー・・・・・・・・・。おみそれしました。アタシャまさか新感線見て涙する日がこようとは思いませんでしたよ。素晴らしかった。お見事。

ストーリーは戦国の世、関東を席巻する髑髏党と彼らに追われる沙霧の逃亡から話は始まる。どうやら沙霧は髑髏城の絵図面を持っているらしい・・・。これが主軸。
その沙霧をかくまう玉ころがしの捨之介と、髑髏党党首天魔王を古田さんが2役で演じる。相変わらずなんてエッチ&格好いいのかしら・・。捨之介のときはほぼ全編和服なんだけど、立ち回りの時とかめちゃめちゃ色っぽいんスよ。特にこの時、私はなぜか最前だったので(後からチケットとったくせに)目のやり場に困ることもしばしばでございました。ハイ。それから何といってもこのお芝居ピカ一の発見は!粟根さん・・・・あなたいつからそんなイイ役者に・・・・めっちゃ格好良かった・・・。くらくらしっぱなしでしたよ、ホンマ。

とまあ、いつもならここで感想終わっちゃうんだけど、今回の新感線はここからが違う。蘭兵衛(粟根さん)に裏切られ、捨之介は捕らえられ・・・そこで天魔王を倒すべく立ち上がる7人(古田さんがいないので6人)が、いわゆる「ザコ」ばっかりなの。それは舞台に6人が(ここでは5人なんだけど)並んで見栄を切ったときの橋本さんのセリフ、「人間どうせいつかはいっぺん死ぬのよ!」「天魔王!お前がザコだと思ってる連中の力、見せてやるぜ!」に集約されてるんだけど、これがね・・・あたしの琴線に触れまくり。絶体絶命の時にあらわれる7人目なんて、百姓上がりの兵庫のお兄さんなんだよ?それもめちゃくちゃ強い相手を草刈り鎌で倒すんですよ。めーーーっちゃ爽快。クールミント真っ青。

この芝居全体に立ち回りがすごく多くて、粟根さんの大算盤や、前述した磯野さんの草刈り鎌等々、工夫を凝らした立ち回りが随所にあったんだけど、中でも名作なのはクライマックスで古田さんと逆木さんが2本の刀を研ぎながら立ち回りをするシーン。めまぐるしく刀を交叉させながら、バッタバッタと斬り倒す。最後の一人を斬った瞬間に客席からは拍手喝采でした。今時商業演劇でもここまでお客の心を盛り上げてくれんやろう・・・。私なんかマジで涙でました。なんでかわからんけど。
その他にも河野くんがやった裏切り三五も絶妙だったし、こぐれさんの家康と服部半蔵(「捨ておけい!」ってゆーのがすごい良かった・・シビれた)等々好演・熱演のオンパレード。「新感線」が「小劇場の人気劇団」の枠を越える日が来たか・・・?乞う御期待ですな。

いまだに私の中のベストオブ新感線不動の一位。「髑髏城」の話自体が本当に新感線に良く合っているし、戯曲の持つ力、演出の手腕、役者の力量、劇団の総合力が奇跡的に頂点に達した舞台だと思う。今の新感線の活躍は、この舞台あってこそ。
大阪公演は今は無き中座だったんですよね。芝居の途中で兵庫(橋本さん)が転換のつなぎ?にトークをして下さるところがあるんですけど、中座にこれだけの音響装置を入れたの初めてだそうで、舞台の床が抜けるんじゃないかと心配です、みたいなことを仰ってました。この芝居に限って言えば、花道のあった中座で見れた大阪のお客さんの方がラッキー!という気がしますね。横にはけるより全然格好良かったもん。花道の幕(カーテン?)を開けるシャッ!って音がねぇ、またいいんだよなぁ。←細かい