走れば間に合う、そう思って走れ

私にしては珍しくテレビシリーズを最初から最後まで完走した「モテキ」が映画に!未來くんの事前番宣ラッシュすごかったよね…その甲斐あって、かどうかはわかりませんがレイトショーだったけど映画館はかなり盛況だったお…!そしてなんというか、テレビシリーズの頃の「サブカル好きに愛される感」は少なくとも私の見た映画館の客席には微塵もなかった!リア充の巣窟だった!

テレビシリーズの後半でも幸世!おまえ!幸世!とフジくんの胸ぐらをつかみたくなる展開が満載でしたが、映画版でさらにいっそうこの感覚が強くなってるのは多分、仕事って要素がそこに入ってるからじゃないかとおもうんだ。

いや実際何度「幸世、テメエ、仕事しろ!」と思ったことかっていうね!なんなのあのプロ意識のなさ。しかも一応は自分が希望した(っぽい)職種に就いているからこそ余計にその感が強い。そしてそれを強く思うのは、私がそれなりの年月「自分で自分を養う」ことをまがりなりにもやってきているからにちがいない。真木ちゃんの跳び蹴りでもまだぬるいぐらいだYO!ハッハッハ!

だからもー、ほんっとフジくん腹立つなあ、なんて思いながら見てたところもあったんだけど、でもなんなんだろう、高揚感だけは不思議とあるんだよね。

レンアイ、なんてものとここんとことんとご無沙汰なワタクシですら、あの浮かれぽんちな感じ、地に足のついてなさ、長い目で見れば自分にとって正しい選択はどちらかなんてすぐにわかるのに、もう金輪際間違った方しか見たくないと思わせる気の迷いとか、ノーフューチャアアアア!!!と叫びたくなるような情熱(と性欲)の迸りにひたひたと身を浸しているうちに、体内温度が若干上がったような錯覚をもって映画館をあとにしたぐらいですもの。

ほんっとにどーしようもない、近くにいたら間違いなくローキックを決めずにいられないようなヘタレ草食系男子に、心底呆れながらも心のどこかでそれを羨望する気持ち、走れ!と言いたくなっちゃう気持ち、あるなあ、なんて思ったりしました。

しかしそうは言いながら、私がもっとも共感したのは、墨さんの「正確なセックス」を受け流して、ひとりでホテルを出て腹減ったなーと独りごち、カウンターで華麗に牛丼をキメるるみ子のシーンでした。あれも幸せ。これも幸せ。

映画館でもクスクスウフフと忍び笑いが絶えなかったり、ときにはアハハと笑っちゃうシーンも多くて、小道具に使われる「サブカルなあれこれ」がすべてドンズバで、そうそうあとこの映画は日本で初めて「ツイッター」ってものを的確に物語の中に組み入れた作品なんじゃないかとおもうよ!これこそツイッタードラマだよ!(そうか?)

三茶とか下北とか、あっここ!と思うところでロケしてるのも楽しかったなー。あと女王蜂のライブシーンが映るけど、アヴちゃんのフェイクがかっくいいっ!音楽は時には雄弁に物語を台詞以上に語り、時にはひっそりと場面を支えていてすばらしかったなあ。愛情を感じる。

最後に、未來くんがPerfumeと踊るシーンはそこだけいつまでも見ていたくなる、多幸感にあふれた素晴らしいシーンでした。踊る森山未來はやっぱり最高!