「SHERLOCK/忌まわしき花嫁」


SHERLOCKスペシャルドラマが劇場公開されるということで出かけてきましたん。まだまだ上映期間設定されていると思うのでこれから見るよんな方は念のためこの先やめておいたほうがいいかもだ!

本国イギリスでは今年の1/1に放送されたんでしたっけ、で特別映像つきで映画館上映もされたんですよね。ヨーロッパや中国でも劇場公開されてるので、世界的コンテンツすげー!とうなるばかりです。

海外ドラマは好評であればあるほどシーズンを重ねますが、個人的な経験則からいうとシーズン1または2の面白さを3以降が凌駕することはまあ、ほとんどない(1より2が面白いというのは結構ある)。しかしシーズン3まで重ねると、今度はキャラクターの魅力というのが重層化してくるので、どんどん下がっていくプロットの面白さをどんどん上がってくるキャラクターの魅力が補うことで全体のクオリティが保たれる、という構図は割とある気がします。そこへいくと、まさにこの「忌まわしき花嫁」はそのキャラクターの魅力、というやつを十二分に活かしきった、いや活かしきった、というよりは、制作側がその魅力を把握しまくった1本と言えるのではないでしょうか。

普通に、ドラマ(たとえば「相棒」とかさ)が映画になるよっつったら、まあそこそこドラマ見てない人でも見られるようにはストーリーを組んでくるものだと思いますが、これは完全にテレビシリーズを第3シーズンまで(ここ大事)見た人向けに作られてます。細かい情報は知ってれば知ってるほど楽しめるのはもちろんですが、そこまで通じゃなくてもいい、ただすくなくとも第3シーズンまでは見たよなおまえら?が出発点であることは間違いないです。ヴィクトリアンなシャーロックとワトソン、と聞くと完全に独立したストーリーなのかなと思ってしまいそうですが(私も実際見るまでちょっとそう思っていましたが)、本編のストーリーそのものが本シリーズの展開と絡み合う形になるという、あっそうなの、そうなのね、と映画館で思わず姿勢を正してしまいました(笑)

それにしても、これもう言い尽くされてると思うけど、私が見ながら(そして見終わったあと)一番に思ったことは
公式の本気のAUってこれか…!
と思わず美内すずえ先生ばりの白目になってしまうところでした。公式のパラレルつおい。でもってつおい上にサービス精神ハンパない。私がいちばん「もう参りました!」と思ったのはライヘンバッハだね…すごい、すごいね…さすが世界的コンテンツを産み出す人たちはやることが違う…

忌まわしき花嫁、すなわちリコレッティ事件そのものの展開は、途中で「サフラジェット」の単語が出てきたあたりで読めるというのもあり、個人的な眼目はやはりお馴染みの面々のヴィクトリアンスタイルと、そして何度も言うようですが、「公式が本気を出した」ところを味わうことができたことだったのかなと思います。