「355」

f:id:peat:20220217220048j:plain
みんな大好き俺らのジェシカ・チャステインことチャス姐さんが制作に加わった女性スパイもの映画。監督はサイモン・キンバーグ。

なにしろジェシカ・チャステイン筆頭にルピタ・ニョンゴペネロペ・クルスダイアン・クルーガーファン・ビンビンと「おれの考えたさいきょうの女スパイ」といわんばかりの顔ぶれで、この5人がどうやって手を組んでいくのかというだけでも相当楽しめる。

というか、実のところ「この5人がどう手を組んでいくか」のストーリーラインの面白さ、手を変え品を変え感に比べて、全体的にはちと詰めが甘いなあ~と思う部分もあった。物語のなかでもっともシリアスな喪失(人質にとられて、殺される)が描かれるのが終盤に置かれすぎて、かつ必然性が薄く感じられてしまう。その前にいかにもな目くばせ(電話での何気ない会話)があるのもちょっとなという感じ。グラシエラの家族は殺されないけど、いやあそこまでやってて見逃しますかねってなるし、なんにせよあそこは時間の流れ的にもうまくいっていなかったなと思う。ルピタ・ニョンゴの演技力に助けられてるよなーと思った。

とはいえ!私が声を大にして言いたいのは!メイスとマリーのバディものを可及的速やかに作りなさいということです!綺羅星の如き5人のなかでもこの2人のケミストリーはピッカピカに輝くものがあった!ダイアン・クルーガーの演じたマリー、こういう「触るもの皆ブッ殺す」みたいなキャラクターが最高にはまっていたし、メイスと全然打ち解けない感じでいるのもむちゃくちゃいい。こういう二人にね~~~仲良くケンカしながらいろんなものをぶっ飛ばしてほしいんですよね~~~そういうやつ!そういうお気軽ポップコーンバディムービーをね!ぜひ!お願いします!!

ペネロペ・クルスファン・ビンビンも含め、5人全員キャラが立っていて、そこは本当に神経が行き届いてるなーと思いました。「初仕事」の武勇伝を女だけで語る場面とかね、全然普通だけど、でも家族のこともパートナーのことも触れないこういう会話ってほんとにありそうでなかったもののひとつだよなあ。

セバスタさんは、あの独特の口の端がむにゅっとあがった笑顔で、むちゃくちゃ人が良いようにも、逆に悪いようにも見えるという存在感を如何なく発揮しててさすがでした。ひどい目に遭ってもあまり可哀想に思えないところもスキ(笑)こういう作品でチャス姐さんからお声がかかるんだから、人間性を信頼されているんだなーと思うと嬉しいです。