「旅館じゃないんだからさ」ダウ90000

  • 近鉄アート館 A3列5番
  • 作・演出 蓮見翔

ダウ90000の第6回演劇公演で、第2回で上演された作品の再演。なんと今回近鉄アート館で10日間の上演期間という、関西住みにはこんなありがたいことがあろうか!という公演でした。私はツイッターでフォローしている方がこの第2回公演を激賛されていたのを観て、配信で拝見したんですよね。どんどん配信への心のハードルがあがる一方の私なんですけど、この「旅館じゃないんだからさ」はすごく楽しく観られた。で、今回の大阪公演でしょ~!?そりゃ足を運びますって!

観客の「面白いものを観に来たぞ!」「面白いものが観たいぞ!」という意欲がすごくて、最初の「ディズニーランドの構文」あたりからもうどしゃめしゃにウケてたし、そのウケの温度が最後までずっと消えない感じ、すごかった。3年前よりもさらにいっそう「レンタルビデオ屋」の「業態そのものが風前の灯火」感がすごくて、時代ってマジで変わる時は一瞬で変わるな…と思ったな~。もちろんその「風前の灯火」感だからこその笑いもあったし、逆にサブスクあるあるみたいな展開もあって脚本が本当に隙がない。そもそものことを言うと、私は男女の恋の鞘当てみたいな話にほぼ食指が動かないのに、この鞘当てどころか抜き身ですけど大丈夫ですかそれ!?みたいな恋と恋未満な感情のぶつかり合いをこんなに楽しく面白く見させてくれるんだから、蓮見さんの脚本はマジですごすぎると思う。

出てくる登場人物みなのポジとネガのバランスが絶妙なのも見やすい要因だった気がするな。「電子情報の小さい俺」、絶対ヤバいのに笑っちゃうし、忽那さんの「それでもなお」とか信玄餅、スーモは悪くない…見た人にはわかるけど見ていない人にはなんのことだかわかんないこういう面白のツボを言いたくなっちゃうのも、なんだか久しぶりの経験でした。忽那さんといえば私が見た回、UFOキャッチャーでとんでもミラクル起こしてたね。顔を隠して必死で笑いをこらえる皆さんなかなかレアでした。

アート館ならではで、今回は三方囲みの舞台、かつアート館はすり鉢状の客席なのでTSUTAYAの店内を俯瞰で観るような構図だったのもよかった。ねー、アート館いいコヤでしょう~~、またいつでも来てくださっていいんですからね~?

観劇のチケット代、最近その値段設定が話題になることが多いけど、今回のダウ90000、チケット代8000円なんですよね。めっちゃ安い!とかいうわけでもない、それなりに値段するんですよ。でも、客席に若い人がむちゃくちゃ来てる。つまり問題なのは本当に価格だけなのかっていう、そういうことも思わず考えてしまう時間でした。