「野獣郎見参」   新感線

東京観劇組の皆様の余韻もすっかりさめたであろう今頃になって,超バッドタイミングで送る野獣郎見参レポ!!今回は自慢じゃないが(自慢だろ)ベリーベリー至近距離での観劇だったのでツボも細かいぞ!みんな,頑張ってついてこいよ!(笑)←何様?

え?ストーリー?それはその,絶賛発売中の初演版ビデオを見ていただくとか他の方々のすばらしいレポを探していただくとか(笑)うーんまあそれにしてもうまい脚本だなぁとは心底思いました。6年前にして晴明をフィーチャーしていたとは流石。阿修羅城に似ているという声も聞かれましたがしかしまあこれが中島かずきさんのお家芸というか十八番なんでしょうね。相当複雑な筋ではありますが違和感無く見れたし,わかりやすくて良かったです。

しっかしまあ今回の舞台は本当役者が良くて良くて。カーテンコールの時マジでどこを見ていいか迷って頭抱えるシマツ。しかし!そんな中でも今回私のハートをゲットしたのは(したくなかっただろうが)何を隠そう前田美波里その人である!!もう,アンケートにビバ美波里と寒いことを大書きしてしまうぐらいに虜。ああ虜さ。なんなんですかあのいやらしいちろちろ動く舌は!赤くてエッチで最高じゃないか!!そして今回の芝居で一番好きなシーンも荊鬼がらみ。あの「美泥お逃げ!」ってとこ。あそこで「痩せても枯れてもこの荊鬼…」っていうとこ,2回見て2回ともくらいまくり。泣きまくり。阿修羅での江波杏子といいこういう一種姉御肌的な人が新感線に来るとはまるよねぇ。歌うまいしダンスうまいし。最高。ほんと。

手塚とおるさんの婆裟羅鬼もスキー。とかいいながら一番好きなのはカーテンコールでかぶりもの取ったお姿なんだけど(爆)パツキンでさ〜・・・・。すんげえ好み。カーテンコールといえば道満王の(中に入っていた)川原さん!!舞台で道満王のかぶりものを取るんだけど取った瞬間長い髪をこう,振りあげるのよ。ばさーって。なんか感じが伝わってなさそうな気もしますが(笑)ともかくすげー格好いいのよ。あの重そうな被り物着つつでも立ち回りは最高だし。

そういえば10日の時道満王の殺陣があまりに素晴らしすぎたせいか野獣郎の刀が折れてしまいまして。一幕最後の、盛り上がりのところで。刀のつなぎ目のところからぽきっといってしまっていたみたいだったんですが、そこはさすが堤真一、折れたつなぎ目を片手で握って(!)一幕ラストの激しい立ち回りをこなしてました。こんな至近距離で堤さんの顔を拝ませていただいたのははじめてなんですが、オットコマエだなぁと。それにしても堤さんの声っていうのはなんだか一種独特の「奇妙な明るさ」みたいなのがありますね。すげえダークなこと言っててもその先の明るさを感じさせるというか。その辺が野田さんもお気に入りなのかなぁと思ったり。

そして古田さん。もう言うことないです。好きです。あまりに真っ正面で見過ぎて、近すぎて、「うん、白ムチだ」とも思ったものの、晴明蟲に乗り移られるシーンとかもう、そのまま息するの忘れそうになりました。白ムチでもいい!!いや、白ムチでなければもっといいが!!(笑)そして最後の野獣郎との立ち回り…もういいからずーっとそうやって立ち回っててぇえええ!!!と言いたかったね、あたしゃ。

西門をやった松井誠さんは初見だったのですが、あの声は凄いなと。風鏡の時と全然違うのが面白かった。でも松井さんの真骨頂は実はカーテンコールだったんですよ。あのねぇ、お辞儀するときとかみんな普通にサッと頭を下げるんですけど、松井さんは最後の最後まで目線を残すんですよ。その目線が色っぺえ色っぺえ。なんか、さすが商業演劇界の新星!って感じでした。そういえば舞台からの去り方も美波里さんと松井さんはなんかすごくスターの歩き方だったなぁ(笑)

粟根さんの錐蔵は何ともいえずいいキャラで。でも、殺陣になると粟根さんうまいもんだから「錐蔵もしかして手練れ・・?」って思ってしまいそうでしたが(笑)。高橋由美子ちゃんも良かったなぁーー、あんなに歌うまいとは。

それにしても全編にわたっていのうえ節とでも名付けたい演出が炸裂してお見事でした。つーかいのうえさんどんどんグレードアップしててコワイぐらいだわ。なんか大抵のものなら面白く見せる力あるんじゃないかなぁ。なんか新感線だけじゃなくて違うジャンルにも進出しそうで楽しみなような…怖いような。

最後の一段落の自分の勘が当たっていることに拍手。←一人上手