「VAMP SHOW」パルコ・サードステージプロデュース

いやーー楽しかったですよ。ほんと。楽しませていただきました!って感じでした。役者さんそれぞれのファンにはもう、たまらん芝居だろうなって感じ。

献血車を襲撃してあるく内向的な吸血鬼5人組が、ふと迷い込んだ駅で出会ったひとりの若い美女。彼女に出会ってから5人の歯車がだんだん狂いだして・・・というのが大筋。えーとまあ、三谷幸喜作、としてはちょっと粗い脚本かなぁという気はしますけど、でもそれはあくまで三谷比だからね(笑)全然フツーの脚本よりうまくできてるんだけど。ホラー、という部分を出そうと思ったらそうならざるをえないのかなという気はしますし。あと、まあ全体的にもっと怖く作っても良かったのにーって気はします。橋本潤さんのとことか、多分一番怖いと思うんだよね。あれは演出次第ではもっと怖くなったかなぁと。潤さん前半で笑いひとり勝ちしてるだけに余計ね、怖いじゃんそういうギャップって。

それにしても男5人、あ、6人。魅力的すぎ(笑)。話がどうとか、目がいきませんハッキリ言って!君らを追っかけるのでおっちゃんイッパイイッパイやねん!って感じ(笑)あたしが芝居を観る目的が何度も言うけど「いい男を見ること」ですから。その点もうこの芝居いい男の大安売り!みたいなね。一山いくらで!みたいなね。そんな感じですから。忙しかった、ほんと・・・何がって、ツボ逃さないようにするのが・・・でも2回見てもまだ見切れてない気するんだけど。

まず佐々木さんは、あのコートは卑怯!つーか飛び道具!しかも季節設定いつよ!みたいな。役柄もかわいいところもあれば切ないところもあっておいしいし。でも飛び道具といえば手塚さんだよな・・・ものすごくかっさらってたよね・・ま、あたしもあっさりかっさらわれたクチなんだが!帽子かぶってると犬みたいな髪型でさー。弱いし。かわいいし。電話謝りすぎだし。でーも!カーテンコールで颯爽とでてくる時はミョーに男前モードなんだよねぇ。(野獣郎の時もそうだった)伊藤さんは、マジメな話脚本に描かれた人物を一番的確に体現してたんじゃないかなぁ。三谷さんの本に慣れてるってのもあると思うけど。血がもったいなーい!って喚くとことか大好き。堺さんは正統派いい男だけあって正統派にかわいい役。島だけ後輩、っつーには年離れすぎだけどな!(笑)スゲー汗かいてて、一生懸命な感じがしました。橋本じゅんさんはねーもう、さすが!笑いに対するあの飽くなき探求心!最高だよもう。途中で長々と「オレと島は・・・名字が違う・・・」ってシーンが大好きなんですが、くだらなくて。スプラッタになってからも笑いはとる。うーんさすが、初演で古ちんがやっただけのことはある(笑)。で、総代。ほんつ、おいしい役どうも有り難うございました!って感じ。最後なんか、もう独壇場じゃん。板東と言い争うとこなんかしびれるよ。堺くんに「殺す!」って向かってくとこもしびれるよ!つか後半しびれっぱなしなんですけど・・しかもカーテンコールで頭下げないし・・・総代のバカーーー!でも好きーー!

えーと紅一点の松尾れい子さん、けっこう最初の頃評判悪かったみたいなんですが、確かに彼女、苛々する。でもそれは「あーーもういいからあんた早く逃げなさいよ!」というこっちの苛々な気もしたり。(って、逃げたら話続かないんだけど)なんかあの頭悪そう!って感じの鈍い反応がいちいちキー!とか思うんですけど、そう思わせるのも多分芝居のうちだと思うんで・・・そう考えたらけっこうはまり役・・?なのかもね。それにしてもこの芝居ってヴァンパイアのショウじゃなくてヴァンプのショウだったのね(笑)

あーーあと舞台のセット!あれはすごいね。トンネルかなり奥の方まで作っててさーー。舞台効果抜群。それと、一個疑問なんですがあの衣装。ま、季節むちゃくちゃていうのはこの際おいといて、なぜ黄色と黒なのかなぁ。あれ初演も黄色と黒なんだよね。なぜーー?

舞台としてももちろん面白かったのですが、これが伊藤俊人さん最後の舞台出演になってしまいました。三谷脚本をもっとも活かせる役者として、的確な演技をなさっていたのが印象的でした。「もったいないなあ!」が口癖の役でしたけど、そりゃ、アンタのことだよ、伊藤さん(涙)