「ペーパーマリッジ」  Show Case

  • 近鉄小劇場  F列1番
  • 作  中谷まゆみ   演出  板垣恭一

少人数の実力派の役者、手慣れた演出に手堅い脚本。確かな技術力を基に作られた芝居、だけど、とても心のある芝居になっていたと思います。

前回ビューティフル・サンデイのときの主人公、三枝ちひろの数年後のお話、というように設定されていたようですね。あんまり厳密に考えなくてもいいんだろうけど、長野さんのキャラクターとか変えていなかったですからねえ。ゲイなんだけど、自分をとても愛してくれている、一生そばにいると約束してくれた惣一郎と結婚したちひろ。二人は養子をもらって育てるための準備を進めている。そこに田舎から突然事情を知らない二人の母親が上京してきて・・・?というおハナシ。

後半に、とてもとても長い長野さんと木野さんだけのシーンがあって、そこは母と娘が徹底的にお互いの感情をぶつけあうシーンなんだけど、そのシーン、その台詞のリアルさが凄い。リアルすぎて、辛くなりかけた、聞いているのが。だって、自分にもそのまま跳ね返ってくる問題なんだもん。

お母さんの言ってることは、間違ってない。ちひろの言ってることも、間違ってない。百子の言ってることも間違っていないし惣ちゃんの言ってることも間違ってない。
だからうまくいかないってこともあるんだよね。
でもお互いがお互いを思いやっていればきっといつかうまくいくのよ、と思えるラストが素敵でした。

まあしかし、泣かされたわ(笑)。ビューティフル・・・でも散々泣きましたけど、今回もキたなぁ。なーんか号泣、とか嗚咽、とかいう感じではないんだけど涙が止まらないんだよなー。幸せなシーンとかで泣けちゃうの。なんでだろ。中谷まゆみさんの力業なんでしょうか。

キャストもほんと文句なしでね。役者、木野花を見たのはいつぶりなのかしら。当たり前ですけど、うまいよねぇ。あのねぇ、ファンキーなお母さんな時と、「母親」になるときの声のトーンの切り換え方とかがさすがだなぁって感じで。旗島さんも今時なかんじが良くでていて良かったなぁ。長野さんはもう、彼女あってのこの芝居ですから。旗島さんと姉妹だといって全然信憑性あるってすごいよ!?なんなんだあの可愛さ。いくつになっても素敵なひとだなぁ。ところで!浅野さんって、いくつだと思う?あのひと、47才なんですよ!野田さんより年上!!(いや他意はなくただ元遊眠社ってことで)ハッキリ言って木野さんとの方が夫婦っぽいのよ!なーのーにーあのキュートさ。あの細さ!たまんねー!かわいかったなぁ・・・。欲しいよあんな旦那・・・マジで・・。

実は浅野和之さんを舞台でお見かけしたのは久しぶりだったのですが、その後いい感じに舞台出演が続いていて嬉しいです。ファンなもので。