「さかしま」  維新派

  • 室生村総合運動公園内健民グラウンド  J列49番
  • 構成・演出  松本雄吉

ネットで絶賛されているのを見てもーのすごい衝動的に(笑)ペーパーマリッジ終わった後直で上本町から近鉄奈良線に飛び乗りまして。しかも,電車に乗る前に維新派の事務所に電話したら「それぐらいの時間に着かれるとなると当日券は売り切れている可能性がありますね」とアッサリ宣告されたのにもかかわらず!自分で「おいーどうすんだー行って見れなかったらどうすんだー」とか自分ツッこみフルで入れながらでも行ってしまいました。室生口大野についてから会場までは歩いたんだけど,途中川沿いを歩いていると静かな蝉の声は聞こえてくるし,川のせせらぎは聞こえるし,しかも私知らなかったんだけど大野寺の磨崖仏っていうのがあって,岩に大仏の姿を掘ってあるんだけどこれがまあ凄いの!あーこれで当日券なくってもこれが見えたからそれだけで来た甲斐あるわー,とか自分を納得させてみたり。後は急な坂を登って登って登ったところに今回の舞台はありました。

これは,少女ナズナの短い夏の物語。

まずグラウンドいっぱいにひまわりが広がって,遠くには入道雲。さらに遠くには延々と広がるホンモノの山々。だんだん暮れていく夏の日。蝉の声。
もーーこれだけで十分満足!って感じなんですが(笑)
維新派見たのもちろん初めてで,最初はとまどい気味だったんですけど,しかしなにしろこのどでかい舞台装置(っつーのかなんつーのか)の中で人が思いっきり走ったりひまわりが動いたり,もう動きすべてが劇的効果満点なんですよ。それだけでも充分楽しめる。だけど圧巻は中盤一斉にライトが落ちて本物の暗転が訪れてから。この暗転凄かったなぁ。あたしが一番好きなのは,もうひとりのナズナが飛行機を追いかけてどんどんどんどん背中が小さくなっていくとこ。あそこのシーンせつねぇ〜〜!あとはねやっぱ,最後の花火でしょ。ああ,夏だ,ってすごく思った。夏の一日をこう,手にとって見せて貰ったような感じ。

いやーそれにしてもさすが野外。前述の完璧な暗転の後,役者のスポットライトに群がる虫・虫・虫!!!(恐怖)ライトの中で芝居してるのか虫の中で芝居してるのかわからんぐらい。いやもう個人的に虫ほど怖いものないんであたす…あの中で平然と芝居する役者さんたち,マジで尊敬しますわ。