「太陽まであと一歩」キャラメルボックス

いやー結構面白かった。ここ2・3年の新作の中ではかなり好きめかもしれない。ファンタジックな感じと日常のリアルな感じがちょうど良いブレンド具合というか。終盤に若干不満は残るものの、かなり集中してのめりこんで見ることが出来ました。というか私はこういう兄弟や親子のどうにもうまくいかない、というのがきっとすごく好きなのね〜。

それに何が良かったって、久しぶりにちゃんと劇団主要キャストで見せてもらったよ・・・!という感じの、役者の揃いっぷりも大きい!上川・西川メインにさつきさん、大森さん、坂口さん、オカタツ、大内で脇がため。この安心感を待っていたよ〜!私にとって馴染みの皆さん、というのも勿論あるんだろうけど、やっぱりキャリアの長さは伊達じゃないと思うのよねえ。オカタツなんて、かなりいい感じにはまっていたぞ!新人さん育てるのも大事かもしれないけど、やっぱり何本かに一回はこういうの見たいよね〜。

監督である「明」が映画の世界に帰って何をしたかったのか、ってのは確かにいまいち謎なんだけども、私としては子供のサトルアキラ、と現実の智・明二人の心情をもっと掘り下げてくれると良かったのにな、と思いました。私が兄弟の確執(と和解)好きというのを差し引いても(笑)。私は自分が次女というのもあってどうしてもサトル側に入れ込んでしまうんですが、最後はお母さんじゃなくて(お母さんの「あんたの話を聞きたい」も勿論必要なんだが)ちっちゃいアキラがサトルを抱きしめる展開だと100倍泣けたと思うな〜(笑)。そうすると現実の二人の和解もそれとオーバーラップ出来るような気もするし。終盤はちょっとどっちつかずになってしまったかなあとは思う。そしてあのタイトルこじつけは絶対要りません!何でだろう、もう随分長いことこのツッコミされてると思うんだが。なにか入れなきゃいけない訳でもあるのか!

でも好きなシーンもたくさんあった。中盤のリコーダーのシーンすっごく良かったなあ。あとお母さんに二人が報告するところね。「僕らは大丈夫、あなたのおかげでちゃんと幸せにやってます」って。あのシーンのセリフ好きだ。明の奥さんをやった大森さんの何とも切ない存在感は花丸だったし、ちょっと軽くなりすぎてしまった感はあるものの前述のように岡達の真面目で抜け作な先生ぶりも想像以上にはまっていて良かった。さつきさんのお祖母さんもなかなかの好演。上川さんも眼鏡だったり理屈っぽかったり飛んだり跳ねたりで楽しそうだし、西川さんのクールな感じも久々で堪能しました。なんだかちょっとオトナになったキャラメル見たって感じ。新作が良いとやっぱり嬉しいね。