チケにまつわるエトセトラ

赤鬼の優先予約が先週・今週とあって仕事で電話はかけれなかったんだが、聞くところによると日本版は1時間も経たないうちに完売だったらしい。すごい人気だ。

長い間芝居を観ていると言うことはすなわち長い間チケ取りの嵐を泳ぎ切ってきたわけで、最近はネットで抽選という手段も増えて昔みたいに死ぬほど電話をかけさせられることは減ったわけですが、しかしそれでも何時間もかけ続けて売り切れだったりするとがっくり来る。

実は正直日本版赤鬼がここまで厳しいとは思ってなかった。というか、今でもにわかには信じがたいという思いがあったり。当たり前ですがチケットの枚数というのはポケット叩けば二つに増えるわけではないから基本的にキャパ×公演日数なわけで、要は
キャパ×公演日数<行きたい人の数
である場合にチケットが枯渇するわけですよね。今回思うにそんなにこの差が大きいとは思えないんですがどうでしょう。野田ファンは多いし小西ファン、大倉ファンもそれぞれ固定客がいそうですが席配置を変えるとはいえコクーンのキャパシティでちょうどジャストじゃないかと思う。毎日見なければ気が済まないと言うハードリピーターの数もそれほどではないと思うし、なぜこんなにも今チケットが取れないのか首を傾げるところがあります。

というかまだ先行予約が終わった時点なわけで、本来の発売はこれからなのだからそんなに慌てることもないのかなとまだ思ってしまう自分は果たして甘いのか。

しかしもうひとつ思うのは、即日完売なんて主催者側の恥でこそすれ決してほめられるようなものではないと思うのに、ファンの側にも「手に入りにくいことこそステイタス」みたいな空気があるのが納得いかない。まずほめられるべきは「見たいと思う人すべてが見れる」ことであるのじゃなかろうか。よく1割2割程度の空席があると「売れてない」という人が居るけれど、全体のキャパシティにもよるけど1割ぐらいの空席はあった方がいいと思う。その1割は当日券の伸びにかかってくるわけで、それはすなわち芝居の出来に左右されるというのが健全なのじゃないかなあ。

でもそれにはそれなりの長いスパンで公演をやってくれるのが条件で、週末二日間だけ、とかいうのでは評判も伝わりようがない。その評判とやらも今はインターネットの個人的な観劇感想が頼だったりして心許ない部分も多々ある。チケットの前倒し発売が加速していく中でもうちょっと当日券文化に力を入れてもらいたいと思いつつ、なかなか先は厳しそうだ。