talk

走れば間に合う、そう思って走れ

観劇を趣味にしていると、いや、観劇に限ったことではないかもしれないが、基本的に「劇場」で「ナマ」で観ることが主軸となる観劇には、多くの場合、「私はあの作品に、あの役者に、あの時代に間に合わなかった」というような後悔がつきものだったりする。…

後藤ひろひと大王の脚本はやっぱりすごいという話

T-Worksの「源八橋西詰」、さきほど千秋楽の幕が開いたところですかね。わたしもいくつか感想を探して読んでみましたが、大王の脚本のすごさ、ベテラン久保田さん&坂田さんの手練れぶりとともに丹下さんへの絶賛も多く、見事にプロジェクトの目的を果たして…

2017年のベスト

総観劇本数50本(リピート含まず)。去年が37本で、「なんとなく50に届かないまでも40〜45ぐらいは観ておきたい」と書いていたので有言実行だぜイエイ。 ということで2017年に観劇したものでよかったもの5本(見た順)。★「皆、シンデレラがやりたい」 ★「天…

シアターガイド買ってきたのよ

久しぶりに買った気がする…!シアターガイド 2017年 09 月号 [雑誌]出版社/メーカー: モーニング・デスク発売日: 2017/08/02メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る表紙は「プレイヤー」のたっちゃんと仲村トオルさんだよん。もうなにも推敲しない…

花の下には涯がない

先日、グランシップに子供のためのシェイクスピア「リア王」を観に行ったとき、併設の静岡芸術劇場のロビーを覗いたら、演劇関係書籍の閲覧ができるスペースがあり、その中に「定本・野田秀樹と夢の遊眠社」もあった。もちろん発売当時に購入したが、現在は…

いつでもそこが桜の森の満開の下

坂口安吾の「桜の森の満開の下」「夜長姫と耳男」を下敷きに野田秀樹が書いた、夢の遊眠社「贋作・桜の森の満開の下」は、1989年2月に初演された。東京は日本青年館、関西公演は京都南座で行われた。わたしは、この時の南座の公演を観に行った。初めて見る野…

終わりなき闘い

今朝、ツイッターでこのオリラジあっちゃんのブログに行き当たり、読んでいたら、歩いて7分の会社に遅刻しそうになった。実話である。 読みながら、ほとほと、あっちゃんの賢さに唸らされた。オリラジ中田、転売撲滅の画期的システム発表!ブログの中身は読…

役者の仕事

言葉を発するときには、その瞬間心に浮かんだことを言うように言え。 そうでない時は私が止める。 お前の言っていることが信じられない時も止める。 何を言っているかわからない時も止める。 その年に獲れた林檎を初めて味わうように言葉を味わっていない時…

蛇足ながら

上の感想で書いた、あったかもしれない人生への「あなたが感じた愛おしさは真実なのだ」…これは第三舞台「ビー・ヒア・ナウ」のセリフの一部です。わたしはもう、この長台詞がすきで、すきで、すきすぎて、たぶん私の細胞の一部になっているとおもう。この台…

よく知らない彼女のこと

彼女のことはあまり、いやほとんど、よく知らない。彼女の名前を世間に広めたドラマも見ていなかったし、彼女の出世作と言われる作品も見ていない。舞台では一度拝見したのだが、その作品そのものがわたしにとってはあまりにもぴんとこず、彼女の印象も薄い…

僕らはまた、近いうちに再会する

2016年の演劇界をふりかえったとき、やはり何と言っても大きかったのは蜷川幸雄、そして維新派の松本雄吉というふたりの偉大な演出家をうしなったことだと思います。どんな舞台にも、その演出家のサインというか存在を感じることができるのは当たり前ですが…

2016年のベスト

明けましておめでとうございます。ようやく年内に観た芝居の感想を書き終わりましたので恒例の振り返りをしておきたいと思います。総観劇本数37本(リピート含まず)。減った!しかし減った原因は明らかです。2017年はどうかなあ。髑髏城が年間通して上演さ…

ここから始めなきゃいけない

twitterのアンケート機能を使って、観劇中の携帯電話についてアンケートをとってみました。設定時間は48時間。回答数は約20000。皆様の御協力のおかげで、サンプリング調査としてはじゅうぶんな回答数になったんじゃないかと思います。RTされた先を見ても、…

2015年のベスト

あけましておめでとうございます。ようやく年内に観た芝居の感想を書き終わったので恒例の昨年のベスト。去年のフォーマットにのっとってベスト5本、印象に残っている場面3つ、よかったと思う役者3人をあげたいとおもいます。そういえば、恒例の空中キャンプ…

どうしても考えずにはいられない

熱海殺人事件を見ていて、本当に物語の骨格の強度がハンパないよなあ、と思ったんだけど、そうするとどうにも私が思い出してしまうのが第三舞台の「朝日」。単なる名作、古典というよりは、「そのまま」残るのではなく時代に沿うことで真価を発揮する、って…

扇田さんのこと

扇田昭彦という名前をいつ頃覚えたのかは正直なところすでに遠い記憶の彼方なのだが、いずれにしろ、それが私が初めて覚えた劇評家の名前であることはまちがいない。私は高校2年生で第三舞台に出会い、演劇、芝居というものを見始めた。つまり私はその頃、ど…

2014年のベスト

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 年明け早々から昨年の回顧エントリで申し訳。 昨年の観劇本数54本(リピート除く)。その前が55本なのでほぼ同じですね。 今年は空中キャンプさんの「今年の映画をふりかえる」の回答フォーマ…

奇妙な符合 とおまけの話

先週の土日でパラドックス定数の「昭和レストレイション」、コクーンで「殺風景」、新国立小劇場で「ロンサム・ウェスト」を見てきたんですけど、この3本がまったくの偶然にもどこか共通するテーマ、いやテーマとか言ったら大仰すぎる、共通する「行動」を…

2013年のベスト

総観劇本数55本。リピート含まず、ですがそもそもリピート自体あまりしていなかった。どんどんリピートは減る傾向ですね。というわけで今年のベスト8。なぜ8かというとパッと選んだら8本になったので。以下観劇順です。 「ホロヴィッツとの対話」 中盤以降の…

シェイクスピア・アレンジ

長塚さんの「マクベス」観て、なんだかんだシェイクスピアの作品もそれなりに観てるよなあ…としみじみしていたんですが、感想でも書いたようにやっぱりそのままドストレートにやられるよりも「なにか」仕掛けてくる演出のほうが好きだし、がっつり脚色しちゃ…

言わずにおれない

あのマチネとソワレと間違えて公演を飛ばしちゃった子のこと、子のことというかその事件についてなんとなくずーっとどこかにひっかかったような感じになってるんだけど、もちろん起きてしまったことはもう、彼が全面的にわるい。言い訳しようがない。自分が…

いいニュース

第20回読売演劇大賞、大賞は蜷川幸雄御大に、そして最優秀男優賞に勘九郎さんが、さらに杉村春子賞に七之助さんが選出されました!今年の優秀男優賞の顔ぶれは個人的に好き役者ばっかり!だったので誰にいってもイイヨーとか思ってましたけど、「土蜘」も「…

2012年のベスト

総観劇本数58本(リピート含まず)。この3年間ずーっと38本で推移してきて、今年は舞台をたくさん見る!と決めていたので有言実行になって嬉しいです。そして反比例というわけではないけどライブの本数は減りましたね。舞台をたくさん見よう!と思ったのは完…

何も言えない

今日、勘三郎さんの葬儀が行われた。あの日からもう一週間。 でも、まだどこか遠い世界のことのような気がするときがある。 NHKで放送された追悼番組で三津五郎さんや渡辺えりさんが口々に仰った「まだ偲べない」「思い出とか語りたくない」という言葉や、椎…

さよならするのはつらいけど

芝居を観に出かけていく新幹線の車中でそのツイートを見た。最初は意味がわからず、とりあえずその人の名前で検索をかけた。大阪のラジオで訃報が伝えられたというツイートがものすごい勢いで増えていて、やっと、そうなのか、と思った。牧野エミさん、亡く…

すごくどうでもいいこと

なんだけど、今日ふと思って、でもこの喩え通じるのこっちかなと(笑)いやあの、私がいれあげている人がですね、先日熱愛報道されたわけなんですけど、まあ吉井ですけど、それでフライデーでね!撮られているとかいうので、今日街に出たときにちらっと見て…

無報酬の愛のために

「劇団を愛していたが、やめる事になってしまった。」この間twitterで「青木さん家の奥さん」をご覧になったkaiさんが、勝村さんが「青木さん」にでたときの話をされていて、その時に「私が観たのは94年で、そのときのパンフで勝村さんが第三舞台をやめてい…

2011年のベスト

総観劇本数38本(たぶん)。リピート含まず。うーんここ3年ぐらい計ったように同じ数字を叩き出してますね。 昨年同様5本をピックアップ。観劇順です。 「わが星」 2011年のベスト。この芝居の余韻はしばらく私の中にずっと残っていましたし、いまでもあの舞…

再び上本町に

先日九月松竹大歌舞伎を観に新歌舞伎座に行ってきたわけですが、上本町に来たのいつぶりだろう、もしかしたら近鉄劇場の閉場以来じゃないのかっていう。あまりにも通い慣れ過ぎていて、近鉄のホームから劇場に一番早く抜ける方法とか、まだ完全に身体に染み…

さいきんよく行く渋谷カフェ

こんなエントリをめったにあげないことで有名なうちのblogですが、たまには毛色が違うのもね! シアターゴアーなみなさま共通の懸案事項として芝居前後のごはん、お茶をどこで?ってのがあると思うんですが、最近わたしが渋谷で芝居を見る時に重宝しているの…