「流れ姉妹〜たつことかつこ〜」真心一座・身も心も

小劇場で大衆演劇を!というコンセプトだそう。なるほどなんだか昼メロな香り。でも昼メロより品がある気がしました。座長村岡希美さん、座付作家千葉雅子さん、座付演出家河原雅彦さん、にぎやかし坂田聡さん、という4人の一座に毎回豪華なゲストが参加して繰り広げられる「たつことかつこ」姉妹の「いつみても波瀾万丈」人生!

かつこをレイプする役柄の「レイパー」とたつこに恋する「ラバー」の二人が毎回ゲストで出てくるそうなんですけど、今回はレイパーが粟根まことさん、ラバーが松重豊さん。松重さんよ一体舞台何年ぶりだい・・・映画ばっかり出てないで舞台も!舞台も!レイパー、ラバーと名前はわけられてますがこれ二人ともラバーでありレイパーですよね。最後に「愛してる」って待ってた言葉をくれる歌川もラバーだし、がっちり心を掴んでおきながら「俺がだめなんだよ」なんて言って去ってしまうへなちょこ五十嵐もレイパーだ(心の)!でもごめん、へなちょこ、僕大好きだよ!三度の飯より好きかもしれないよ!あんな強面でへなちょこってある意味最高・・・最高。それにしても舞台に居る松重さんってどうにも存在感放ってるよなあ。またスズカツさんとやってくれないものか。粟根さん、落差のある結構激しい役所、お着替えも多くて素敵なファンサービス。つんつるてんの浴衣が個人的にはツボでした。

ところで五十嵐が「俺もむかし妻と子どもを・・・」そのあと聞き取れませんでした。ちょうど背中越しの声になっちゃって・・・。「亡くした」って言ったの?「失踪した」って言ったの?誰か教えて〜。

私は千葉雅子さん初めて拝見したとき(阿佐スパの「十字架」だった)、舞台上のファイトがなんとも本気でそこに惚れたのですが、今回そのファイティングをたくさん見れて幸せでした・・・若い女のギャーギャーうるさい「逆ギレ」じゃなくて肝の据わった女の「ブチギレ」って感じがすごく好き。もっとやれ!と思う(笑)。村岡さん、いつ見ても佇まいが素敵だよなあ。でもってほんっっっとに声が最高。身体を張った好演でした。あの深い声で「あんなに情けない声出すとおもわなかったんだもの」なんてダークなことを言ってみせるその奥行きが素敵だわん。

オープニングの「ガヤ4人衆」ってまとめられ方にも笑ったんですが、皆さん芸達者だなあと。小林顕作さん芸風幅広くてすげえなと思いつつ、ちょっとキャラに走り過ぎかなとも。これ、ガヤの人たちも毎回変わるのかしら。そっちも面白そうだよなあ。

来年も、ということなのでゲスト陣含めて楽しみにしております。いろいろ謎な部分も残されてるし。息の長いシリーズになるといいですね!