「七人の恋人」ウーマンリブ

  • 厚生年金会館芸術ホール D列12番
  • 作・演出 宮藤官九郎

七本の「恋」にまつわるオムニバスコント。笑いました。7本の中に「さすが宮藤さんだなあ〜」というものと、「さすがサダヲちゃん(に限らず、役者の誰か)だなあ〜」と思うものがあって、1本目と2本目は前者、3本目と4本目は後者の色合いが強かった。

個人的に好きなのは「FIRST KISS」と「SHOW-Z.com」、あと7本目の「七人の恋人」かな。FIRST KISS田辺誠一という「紫のバラの人役者」*1を見事に笑いとして活かしきっている!という感じ。そして田辺誠一さんの思いきりの良さは賞賛に値すると思う。「荒神」でもすごく良かったですけど、これほどカラーの違う役者に囲まれながら自分のノーブルな外見をここまで笑いに転化させるとは、すごすぎる。

SHOW-Z.comは一見阿部サダヲさんの力業のようでありつつも、やっぱりネタ(と、その切り取り方)がうまいんだよなあと思いました。いやー・・・いろいろ笑いました、はい。

全編に渡ってやはり三宅弘城さんと阿部サダヲさんの力は大きくて、こういう頼りになる役者がいてくれるというのは演出家にとっては大きいだろうなあと想像してみたり。特に三宅さんは大活躍じゃないですか。鍛えすぎた腹筋でへそを出されると気持ち悪いものなのだ!というのが私がアンケートに書いた三宅さんへのダメだしです(笑)

えーと、あとはつらつらと。三宅さん、ドラムを叩いている姿があまりにもかっこよく、途中で妊婦姿やハゲヅラで叩いている姿すら見惚れるほどだった。宮藤さんは、自分でやって自分で落ちすぎ。よう笑ってはるなあ、舞台の上で。かわいいけど(甘いファン)。星野さんの妊婦姿は普通に可愛すぎてちょっとびっくりしたよ!尾美さん、結構リリカルな部分を託されつつも世界にがっつり馴染んでいて好感。

パンフの中でキャストに書いてもらった短歌を、詠み人を知らせずに松尾スズキさんと俵万智さんが分析する企画があるんだけど、これが面白かった〜!短歌は「詠む」より「読む」ほうが難しいと穂村弘さんが言っていたんだけど、プロである俵さんはともかく松尾さんの読みっぷりはちょっとすごいな、と感心しました。短歌一首で人生をダメだしされている宮藤さんが素敵すぎる(笑)。こういうパンフだと、買って良かった〜って思えるな〜!

*1:実際やっていたし