「SAD SONG FOR UGLY DAUGHTER」ウーマンリブ

久しぶりのウーマンリブ。この前の「七人は僕の恋人」がオムニバスだったので、「ウーマンリブ先生」以来のがっつり芝居、という感じでしょうか。

それほど極端なバレは書いてないですが、いちおう畳みます。

その「ウーマンリブ先生」のほうは、見終わったあとかなりずっしりと身体の中に残る感じがあって、それはいったいなんなんだと思ったんだけど、展開からいえば決して明るい方ではない、むしろ救いがないといってもいいぐらいなのに、なんつーかスカッとした感じが今回のほうにはあったのが自分でも不思議でした。

個人的にもっとも楽しみにしていたのは岩松了さんと松尾スズキさんががっつり相対峙する、ということだったんですが、いやあ期待は裏切られなかったですね。ほんとすばらしい。というか岩松さんがまさに怪物級なので、それを受けている松尾さんやっぱハンパないなあと思ったりしました。岩松さんが出てくるまで散らばっていた物語の種が、登場と同時に一気にそこに集中するぐらいの牽引力。

ふたりが夜、布団を敷いて語り合う(合っていたかどうかはともかく)シーンは、宮藤さんこれ書いてて嬉しくてしょうがなかっただろうなーと思ったり(笑)

破天荒な設定なのに、一瞬でその場の空気をつかんでしまう良々もさすがでした。すごくいい台詞がいくつもありましたね。田辺さんは宮藤さんの作品にハマるというか、あの独特の間がことごとく笑いの間に変わっているところがすごいなあと思います。あおいちゃん、舞台では初めて拝見しましたが、白のふわっとしたワンピース姿なんかはもちろん超絶かわいかったですし、台詞がクリアに聞き取れるのは舞台をやる上ではすごい力だよなーと。

向井さんの音楽はもちろん、あらゆるところでの劇中使用曲のセンスのよさはさすがウーマンリブ、という感じでした。

宮藤さんは最後の最後に御出演ですけれど、あの先生の言葉をきっかけに、オセロの駒がひっくり返るように世界がやさしくなくなっていくところ、いたたまれないと同時に気持ちいい、いたぎもちいいみたいな感覚で見ていました。それにしても、岩松さんの最後の台詞はすごい。やっぱり岩松さんて、怪物級だとおもう。