「お勢登場」

  • シアター・ドラマシティ 21列39番
  • 作・演出 倉持裕

江戸川乱歩の短編を再構成した舞台。「お勢登場」「二銭銅貨」「D坂の殺人事件」「二廃人」「押絵と旅する男」「木馬は廻る」「赤い部屋」「一人二役」の8本の短編から構成されています。

普段、芝居を観るときに「予習」というものをまったくしない(原作を読んでいくとか)タイプなんですが、これは読んでいったほうがより楽しめたかなーという気がしました。というのは取り上げられている作品のうち読んだことのある作品の部分がぐっと面白く感じられたからなんですよね。特に、物語を形作る大きな枠になっている「二廃人」と「お勢登場」は読んでいた方がいろんな仕掛けに気が付けて面白かっただろうなーという気がしました。

黒木華ちゃん、ファム・ファタールとでもいうべきか、小悪魔的な役柄でよかったです。あの長押しのカギをかけてしまうシーンの揺れる感じが印象に残ってます。千葉さんとはいりさんのやりとりはさすがの安定感。例によって全キャストを把握しておらず、席も遠かったので、若い男の子が二人いるけど声で判別できない…と思ってたら川口覚さんと水田航生さんでした。二銭銅貨の話はこのふたりがメインだったのですが、自分が好きな話というのもあって楽しかったです。