「温水夫妻」  パルコプロデュース

  • パルコ劇場   N列27番
  • 作・演出  三谷幸喜

唐沢さん主演で三谷脚本・演出。それにしても「三谷幸喜」の名前だけでチケットがプラチナ化する時代だもんなぁ。

ストーリーは雪深い駅舎の中に閉じこめられた中年夫婦と太宰治、なんとその奥さんは太宰の別れた恋人で・・・・っていう、ザ・三谷とでもいうようなシュチュエーション。脚本のうまさとか、あいだあいだで出てくる梶原善さんの絶妙な演技とか、伏線のはり方、小道具の使い方の細かさなんかは、もう今更コメントする必要ないって感じ。

これが無名の人が書いた脚本だと思ったら絶対すごい新人が出た!とか言って大騒ぎするに違いない。でも三谷さんなんだよな。どうしても「もっと!もっと!」って思ってしまうんだなぁ。ファンって勝手だ。でも、「巌流島」の時よりはなんか毒が戻ってきた感じで嬉しかった。

温水氏と太宰がしんとした朝の駅で煙草を吸いながら話すシーンとか凄くよかった。わがままで勝手で愛らしい太宰を演じた唐沢さんも、夫を愛しているけれど太宰にはもっと大きな夢を託している元恋人の戸田さんも、情けないけど、しぶとく、たくましい、三谷作品のヒーローともいうべき市井の人をやった益野さんも、そして梶原善さんも、キャストは文句なし。脚本だって文句ないはずなんですほんとは。あーーーフクザツ・・・。