子どものためのは子どもたちと

私はこのシリーズは毎回大阪で見ていて、でもって大阪は松下電器が主催する「パナソニックツアー」なのでお子さまのお客様がたいへんに多いのでございます*1。多分、半分ぐらいは家族連れの客だと思う。で、そういった環境で観るのと、こうした新国立劇場での、子どものための大人のシェイクスピア、みたいな雰囲気で観るのとって本当に違うもんなんだな!と思った。

普通に考えればマナーを弁えた観客の中で観るほうが絶対にいいような気がするが、なんでだかわからないけど私はあの子どもたちの中に自分が「お邪魔してます」といった空気の中で観るこのシリーズが肌に合ってるというか・・・好きなんだなーって思いました。
休憩時間にトイレに並んでいる子どもたちが自然とハンドクラップを真似しちゃってる風景とか、ほんとうにすごい幸福な気持ちになれるもんなんですよ。

前回の「尺には尺を」の感想のところでちょっと書いたけど、あの公演の時は本当にすさまじい家族連れがいて、いやもう普通の公演だったら私はそれこそ「二度と劇場来るな!」と悪し様に罵りたいような態度だったわけだけども、すごいなと思うのはこのカンパニーはそういったことで集中が切れたりってことが絶対にないのね。「子どものための」と銘打つからにはそういった事態もあり得るわけだし、そこでさらに集中していいものを提示しようとする姿勢が舞台の上からすごく感じられるんです。十年以上このカンパニーを続けていっている底力をそういうところにすごく感じます。

「子どものための」シェイクスピアは「子どもと」一緒に楽しんでみるとまた違った感じがあるかもしれないよ、と思いました。

*1:一般プレイガイドの案内は少ないのです