「納涼歌舞伎第二部」

「ゆうれい貸屋」
笑えて、ちょいといい話という風味の人情喜劇。あくせく働いたって所詮貧乏人は貧乏人じゃねえかよー、と開き直りぐうたらを決め込む主人公のところに幽霊の女房が居つくことになるが・・・という筋書き。
初日開けて間がなかったからか、台詞の入りが若干覚束ないのかなあと思うシーンがちらほら。とはいえ、ここだというツボははずさないので、しっかり笑わせてくださるんですけども。これは後半行った方がもっとがっつり出来上がってくるんだろうなという感じがしました。番付で三津五郎さんも仰っていますが、本当にこの「染次」は福助さんにぴったりです(笑)

「新版 舌切雀」
渡辺えり子さんの新作。非常にゴージャス、華やかな装置に衣装で、一部から通してみるとやっときらびやかな歌舞伎らしさを堪能できるかな、という感じ。
とはいえ、個人的にはうーむ、どうなの?と思うところもあったり。楽しいんですけど、たとえばフラミンゴやペンギンなんかの群舞とかはちょっとトゥーマッチかなという感じなんですよね。白鳥だけならアイデアも楽しんでられるんですけど、その後に延々続くと「くどい」という感じになってしまう。もっとシンプルな筋立ての方が良いのではないのかなあと思うところも。小人=森の賢者のあたりの話とかね、説教臭く流れそうでいやんな感じもあるのですよ。ちょっと俳優祭ちっくな、お遊び感が前面に出すぎてしまったかなと。それはそれで楽しくもありますが、これだけの面々が揃っていて、ちょっともったいないのかなあという気もいたします。