「仮名手本忠臣蔵 Cプロ」平成中村座

仮名手本忠臣蔵で見たことあるのは五、六段目のみ。なのでこのCプロは見たことのないものばかりです。大序の「改まった感」からして違うなーという印象。
二段目の加古川本蔵と若狭之助の会話を聞きながら、塩冶判官(浅野)にも、こうして、1日間を置くことさえ出来ていたらなあと思ったり。というのも、じてキンの「例の件だけど、」*1で描かれていた、大石(大星)が後悔しているのは浅野を死なせたことではなく、それを止めるのが自分の仕事だったのに、というような台詞を思い出したからです。加古川本蔵はある意味、それを果たしたわけだけれど、それだけでは幕を下ろさないあたりがさすが名作の誉れ高き仮名手本忠臣蔵。「スライディング・ドア」じゃないけど、「もしも」な二人の家老の再会を、ああいう形で描くのってすごいアイデアですよね。
有名な五,六段目を見ていると、どこが忠臣蔵?と思ってしまいそうになるけれど、こういう流れを踏まえてみるとやはり四十七士の話が背骨にあるんだなあと実感します。
それにしても、二段目で仁左衛門さまと勘三郎さんが揃ったときのあの「ぎっしり」感たるや。そして仁左衛門さまの芝居はもう、いちいち伝わりすぎて参る!九段目での勘三郎さんの戸無瀬もよかった。でもってやはり、松の廊下はおもしえー!勘太郎くんの塩冶、もうかわいそうでかわいそうで、でもあの品のあるきりっとした顔立ちがかっこいいわえろいわで、高師直めーと思いつつ、ああでも、苛められる勘ちゃん萌え!でもむかつく!斬っちゃえYO!とか大変忙しかったです(自分の心が)。なんかもう、勘太郎くんが世界一かっこよく見えるんですがこれは病気ですか(うん、たぶん)。
お昼には奥山風景で買い求めた浅草今半の牛めし弁当をいただきました。美味!

*1:1997年。わたしのオールタイムベスト10の中の不動の一本