瞼閉じればそこに

あー先週の今頃は〜、ボクは汽車の中じゃなくてテレビの前でWOWOWを見ていた〜、というわけでもう放送から一週間ですか。早いですね。さすがにノンフィクションとちがっていっても2時間ちょいありますからそんなに繰り返し見れてない(3回ぐらいかな)(十分じゃないか?)のですが、放送を見ての感想など。

見終わった直後にtweetしたんですけど、やっぱりこの紀伊國屋ぐらいまでがスタンダードな仕上がりだったんだろうな〜と見ながら思いました。そのあと大阪、横浜、サンシャイン、福岡と見ましたが、やっぱりかけるリボンが大きくなっているな〜という感じ。

「かけるリボンが大きい」というのはかの鈴木裕美さんが、かつて新橋演舞場で初演出をやったときに、初日見ていて「あっこれじゃダメだ」と思い、翌日以降役者さんに「ごめん、もうちょっとリボン大きめにかけて」と言ったときの言葉なんですけど、すごくよくニュアンスがわかる表現ですよね。中身は変えないけど、見た目の印象を変える感じ。これは紀伊國屋以降のホールのサイズが大きいことももちろん無関係ではないと思います。

たとえば相手の台詞を聞いてのリアクションとか、それぞれの芝居がなんとなくコンパクト。それだけにぎゅっと凝縮した感じもありますし、福岡の楽日を観た後だと派手さに欠ける印象もあるかなあというところでした。

紀伊國屋ホールでも観てるんですけど、まったく覚えてなかったのは一生くんが客席から登場していることです。これ、確か袖からだったよね他の劇場は。私の席が上手に集中していたので気がついていなかっただけなのか?いやいやしかし、紀伊國屋で客席から登場というともうゴドー1しか出てきません。

初日後暫くしてからの長野さんのツイートでは、あのカモメのところは「その日その日で違う」ということを仰っていたので、あの「飛べない鳥でした」に固まったのは大阪以降だったんですね(初日はさらにあっさりしてました)。大高さんの意味不明な動きが「朝日」のバージョンだったのは嬉しかった!あの筒井さんが水を吹きかけられるとこ、大高さんの最後の一滴までも吹きかけてやろう的な感じがよくわかって爆笑しました。それにしても、「飲んじゃった?」「…少し」のやりとりはなんとも言えず自然ですごいなあ、と改めて感心したりして。

富樫が記憶を取り戻したあとのシーンで、「どうしたんだよ富樫そんなしょぼくれた顔して」と橘に話しかけられた瞬間の、筧さんの表情がすごい、煩悶というか、絶望というか…やっぱり言葉を発している一生くんを観てしまうシーンなので、この映像がなかったら気がつかなかったかもしれない。

映像がなかったら気がつかなかったといえば、ダンスシーンで筧さんだけがソロになるとこ、あそこもう私ほんと筧さんロックオン状態だったので、真理ちゃん&小須田さん、長野さん&大高さんというコンビでダンスなんて美味しすぎるやないかーい!と思いながらちっとも観られてなかったのをようやく確認できて嬉しかったです(100パー自分の責任)。

立ち回りのときの紙吹雪はあれ、客席に降ってるのが見えないから少なく見えるのかなー。客席で見ているともう前も見えないぐらい降られた印象があります。そうそう、この間チラシの整理したらまだ出てきましたよキリアスの花びら。

最後、今回の公演データ全部と、成志さん伊藤さんのお名前と共に勝村さんの名前もエンドクレジットにあったのがなんつーか、うん、ううっ(気持ち悪くなったんじゃないよ)ってなりましたよね…。あと戸田山さんは確か伊藤さんが稽古場に行かれた前日に行っているはずなんだけど、協力というのはなんだったのでしょうか、なんかバックステージ的なことだったのでしょうか、教えてエロい人!

鴻上さんのアナウンスまでを含めた部分ももちろん、やっぱり板垣さんのディレクションは見やすいんだよな…ってことも今更ながらに思いました。あの二満月の夜のダンスシーンとかホント素晴らしい。最初にノンフィクションWで使われなかった部分の映像がちょびっと流れたのもきゃいきゃい言って喜んでしまいました。

これが終わると同時に、ああ終わっちゃう!みたいな感慨ももちろんあったんですけど、心情的にはまだまだ祭っているので、というか、私家版とDVDが出るまでは存分に踊って踊って踊りきりたいと思ってますわたしゃ。人生長いんだからこれだけ引きずってるのにあえて気持ちを切り替える必要なんてあるだろうか!否!そんなことしなくても月日が重なれば自分がどれだけ鮮明にしておきたくても薄れていくものなんです、そういうものです人間は。それはべつにネガティブな意味なんかじゃない、なにもかも覚えていなければいけないのなら人間生きていくことなんてできないじゃないですか。

だから踊れるうちは踊るのです。

つまるところ私が何を言いたいかというと、公演でもらった案内には私家版の発売は「2012年春」ってなってて、春っていつ!つか、もう暦の上では春ですけどー!という己の欲望むきだしの叫びだってことです、春よ来い!早く来い!早くつってんだろオラあ!←後の無茶ぶりである