「清盛」楽しく拝見しています

正直なところを言うと第1回を見て(しかも「ながら」)、そのあと何回か見たり見なかったりの状態だったんですけど、多分第7回ぐらいだったかなー、壇れいさんと松雪さんが鳥羽上皇をめぐって女の火花ばっちばち散らし始めたあたりから「これ朝廷側濃すぎて見てて楽しい」とか思い始め、最近はできるだけリアルタイムで見ています。

とっかかりはなんといっても三上博史さん演じる鳥羽院の、あまりといえばあまりにも濃い芝居に「こんなものがタダで見られるなんてなんてお得なの」と目をキラキラさせていたんですが、だって!毎回毎回カネかかってそうな衣装に身を包んで「朕は」「朕は」連呼するし、璋子に対して心ない言葉を浴びせるときとかもう瞳孔開いてんじゃないかって思うぐらいだし、極めつけは前々回の清盛との対面で「射てみよ!」とかいうときの目が黒目がでかすぎて目が全部漆黒の闇みたいにみえるとか、なにもう黒目の大きさまで変えてくるとかそんなデニーロアプローチありなのか!(※錯覚です)とか思うほどですまったく。

そこにもってきて前回の「家盛決起」でこれでもか!と存在感をアピールした山本耕史くんの存在も頼もしく、こちらはこちらでご本人が「部下全部食ってんじゃないか」と仰っていた藤原頼長を麿眉にお歯黒でそれはそれは楽しそうに演じていらっしゃるのがすごい。昨日の忠盛パパとの対面シーン、「しかと結ばれた仲であった」ってお父さんに言うときの彼の目が完全に眼球飛び出していました本当にありがとうございます。なに、眼球からのデニーロアプローチとか(以下略

そんなこんなで朝廷側に濃いキャストが多くて楽しいな−(雅仁の松田翔太くんもとってもヨイ)、と思っていて、しかし同時にこれ三上さんが退場したら私のモチベーション一気に下がるのではとも思ってたんですが、昨日の回で私の軸足が主人公のほうに乗っかった、みたいな感じがあったんですよね。

もともと、「家族の中の黒い羊」(一族の変わり者、異端者みたいな感じかなあ)を描かれることに私はめちゃくちゃ弱くて、「赦されない子供」を題材にされるともう赤子の手をひねるよりも簡単に落っこちてしまうたちなんですよ。で、昨日の清盛はまさに「家族の中の黒い羊」そのものだったんですよねえ。

「家盛は報われない」という父に「お話はそれだけですか」というときの清盛の目。父に投げられて額を割ってからの彼は真にかっこよかったですし、男が額を割られるというのは(夏祭の「こりゃこれ男の生き面を」じゃないけど)ドラマチック以外のなにものでもない。

この清盛がどんなふうにこの魑魅魍魎の跋扈する朝廷と、営々と続いてきた藤原摂関家を追い詰めていくのか、これから先の展開が楽しみです。そして引き続き朝廷側の皆さんにはいっそう濃い芝居汁を見せて下さることを期待しております(笑)