今週の清盛

第48回「幻の都」または「平家か…何もかも皆懐かしい」(沖田艦長でお願いします)。
福原遷都がまさに「淀みに浮かぶ泡沫」の如くあわく消え去る。
「たとえ武士の世と言われずとも」と前置きしながら清盛が言った、自分の出会ったすべての人の生きた証がこの都にある、という台詞。なんだろうなあ。そういう確かな証が欲しかったのかなきよたんは。これを成し遂げたっていう証が。無頼の高平太がここまできたっていう証が。それで、そこを見過ぎるあまりに目的と手段がいつの間にかすり替わってしまったのかなあ。

しかし、ここまで無能だけど人は良い、もしくは人は良いけど無能、という立ち位置だった宗盛、先日来その「人の良さ」も消えかけていましたが、ここにきて自分の出生からのコンプレックス大暴露。えっ、そこまで遡る…?というあたりの話までガンガンに持ち出してほとんど泣き落としで清盛に還都をせまるという大宗盛回でもありました。あの竹馬のこと気にしてたんだね…(ほろり)。

そしてあの舞を見ながらの回想シーン祭り。あっ、これ最終回でよく見るやつや…!しかもそのあと頼朝らのシーンでもこれでもか!な回想祭り。いやーこうしてみても三上鳥羽院のあのシェイクスピア劇もかくやな大仰感は素晴らしい。なんだあの黒目。でもって、わたしはあそこでまっすぐ神輿を射たきよたんがマジ好きだったのだなあ。あの呪を払いのける力。自分を縛っている目に見えないものを切り裂いていく力。

はっ!イカン私までがすっかり回想モードになっとるやないかい!

しかしこのあとの展開を考えるに、頼朝としてはここがかなりの見せ場だったのではないかという気がするのですが、ちょっとつるっと終わったような気がするなー。いや、この大河ドラマ基本的に皆、芝居が濃いのよ。だからまあ好き嫌いが別れるのもわからんでもない。そして私はいわずもがな、芝居汁てんこもりの濃いいいい芝居が大好物なのである!そこからすると(あれだけの場があったのに)ちょっとさらっとしてるよね岡田頼朝…みたいな感じはどうしても否めなかったかな−。

それにしても、あの南都焼き討ちで「それこそがもはや運が尽きたということ。天は平家を見放したのだ」という台詞と、そこに「ほめてほめて」顔で戻ってくる重衡(兎丸のときもこういう構図ありましたよネ…)。あの「ようやった」の「なにもかも終わり」感たるや。

そして次週はいよいよ「双六が終わるとき」…!きょうええええ!!終わる!終わるのか!終わっちゃうのか!