あまちゃん!

9週目!めっきり感想を書くのが遅くなってますがあまちゃんへのテンションがさがっているわけではなくむしろあがる一方です(ついったご覧になってる方はもういい加減あまちゃん以外の話もせえよ!と思われても仕方ない)。まあいろんなものに追われてるのと毎週書くと決めた訳ではないのであれなんですがしかし9週目はあまりにも名作回の連打すぎてこんな遅遅になってしまったけど何か言わずにいられない病。

9週目の水木金の濃厚さときたらほんと1週間経った今でもあの余韻をためつすがめつしてしまいそうになるほどです。まちがいなく前半の山場だったよね…。お座敷列車にはじけるいろんな人の笑顔、笑顔、笑顔を見てああこのドラマで、こんな風にひとがあんまり笑顔だから泣けてきたのってあれなんだったけと思ったら、言うまでもなくそれはアキが初めてウニを獲った日だったのだった。あそこからいろんなものがスタートし、そしてこのお座敷列車の「楽しさ」がまたいろんなもののスタートになるんだろう。

アキの初めての大失恋はアキもパニックにしたけどユイちゃんもパニックに陥っていて、思うに種市せんぱいが台場に住むからってだけじゃなくて「アキが好きになった種市」だから価値があったのかなあなんてことを思ったりしました。いろりちゃんなアキめんこかったぜ。作業場に閉じこもって腹減った腹減ったってわめくの、なんかほんと年相応というか笑って見ちゃう自分がいたぜ。若い二人は「対等か上でなきゃいやなんだよ」「地獄に落ちればいいとおもった」と切っ先するどい言葉を使ってある意味相手をゆるしてる。そして卑屈で防御しようとしたアキを解放するのはやっぱりお母さんの仕事なのだった。名台詞名演技だったなー。「男とられたら悔しいのが人間。妬んで恨むのが健全な女子。もっとユイちゃんと張り合えばいい、男だって取り返せばいい、地獄におとせばいい。そうしたって何もかわらない、二人ともかわいいし、二人ともばかだし、二人とも、子供なんだから。」

翌日の駅前でアキが「お座敷列車、やるわ」と唐突にユイに告げて、駆け出したアキが、あのもこもこのダッフルにマフラーぐるぐる巻いたアキが、アニマル柄の手袋でぐっと看板を指さしたあの瞬間、もう何回見ても泣いてしまう。弱い、こういうのにしぬほど弱いのです。あの看板に直接言えない思いを託したヒロシよ、その思いにまたそれぞれの思いを託した種市せんぱいよ、菅原さんと栗原さんよ、あんな風に思いを託されたらそりゃ「やらねえわけにいかねえべ」。朝までかかって仕上げた4人がちょっとハイになってるところもまるで「文化祭の前夜」のようでとてもとてもよかった。

スカウトが来ているという予感につぶれそうになるユイに「単なる想い出作りかもしれないって怒られたけど、いいべ、ユイちゃんとお座敷列車で歌いてえもん。想い出作ったっていいべ」ってユイを後押ししてあげる、そのときのユイの揺らいだ顔よかった。ほんとだんだんユイの表情がイキイキしてきたのわかる。あのしゅっぱつしんこー!のあとの笑顔、まさにあんたキラキラのアイドルだよ。そして「潮騒のメモリー」を歌い踊るふたりのきらめきにあてられっぱなしだよ。

種市せんぱいとアキを見ていると「傘をひらいて、空を」「被初恋の人」を思い出す。アキにとって種市は初恋の人、そして種市にとってアキは「被初恋の人、つまり生まれてはじめて好きになった人が僕だっていう女の子」なのだ。あんなふうに真っ直ぐに、自分を全部預けて「好きだ」と言ってくれる女の子のことを、たとえその気持ちに応えられないとしても、真っ直ぐに受け止めなければならない、とかれが思ったのかどうかはわからない。でもきっと(これからかれがどんな人生をおくるにしても)自分をそんなふうに思ってくれた被初恋の人がいたことを温かく思い出すだろう、そうにちがいない、そうであってほしい、とキモく思い入れてしまうほどにアキと種市せんぱいの別れのシーンは素晴らしすぎました。先輩またね、とアキと一緒に手を振りたい気持ちになった。またね、またいつか。

今週の第10週ではまさに待ってました!と声をかけたくなる、古田新太がいよいよ登場ということでもはやあまちゃん世界に隙なしです。実は先日スタジオパークに行ったときあまちゃんの撮影をしていたのですが、その時ちょうど古田のシーンだったので一足早く彼のスーツ姿を拝んで興奮していた私なのでした。ますますもって目が離せません!