「スーサイド・スクワッド」


「悪をもって悪を制す」、タスクフォースX作戦に集められるヴィランたち。製作に入った当初からマ−ゴット・ロビー演じる「ハーレイ・クイン」のビジュアル力の高さ、その完成度に期待が集まっていて、しかもそのハーレイ・クインが追いかけているジョーカーをジャレッド・レトがやるという。主人公(?)デッドショットはウィル・スミスという豪華な布陣。DCウニバース作品なので、バットマンとフラッシュも出てくるよ!

劇中で使用される音楽が、キャラの立ちまくった楽曲ばかりで(悪魔を憐れむ歌とかSeven Nation Armyとか)、それがそれぞれのアクの強いキャラクターとも合っていてよかった。予告編のクイーンもすごく印象的な使われ方してるもんねえ。

飛び切りのヴィラン軍団という触れ込みなんだけど、ヴィランぶりはずいぶんマイルドになってたかなあ。義賊とまではいかないけど、わりと「女子供に非道はせず」ぐらいのテンションだったような。なのでそれを率いるリック・フラッグもどこか引率の先生感あるし、しかもフラッグ大佐が死んだら自分らの命も危ない(娑婆に出す代わりに首に爆弾を仕込まれていて、逃亡したら爆発、大佐が死んでも爆発)ので、みんなでフラッグ大佐囲んで守るとことかいい絵面でした。

とはいえ、こんなに魅力的な題材(正直、今年のアメコミ映画でこのSSが評価も興収もぶっちぎるのではないかと思っていた)なのに、いまいちこう…抜け感がないというか…話としてブチあがる瞬間が個人的になかったのが残念です。そのー、あの決死部隊スーサイド・スクワッドが集められて(バットマンとフラッシュが活躍!)タスクフォースX作戦を実行に移す、までの描き方はよかったのに、実際にその部隊の出動がエンチャントレスを押さえきれなかったからによるという、しかも観客はそのことを知ってるのにデッドショット達は事の真相を知らないというね。いや結局マッチポンプかい!みたいな気持ちになってしまうし、エンチャントレスの弟も含めていきなり話が大味になるのがちと残念、という感じでした。

ハーレイとジョーカーってもっと殺伐とした関係を予想してたので(裏切り裏切られそれでもつきまとう)、あんな甘い感じだったの意外でした。ジャレッド・レトジョーカーさすがにケレン味たっぷりでよかったし、マーゴット・ロビーは間違いなくこの映画で最高の輝きを放ってるし、絵になるカップルではあったけど。

DC映画はマーベルに較べると絵面が強い!という印象があって、そういうところはまさにアメコミを見ているような気になれて楽しい。次はワンダーウーマンかな?クリパのスティーブ・トレバー楽しみ!