「神と共に 第二章:因と縁」

f:id:peat:20190702211104j:plain
待ってました第二章~~~~!!!監督は第一章と同じくキム・ヨンファ!第一章見たのが6月初旬だったので間を空けずに第二章見られるのは嬉しい!

以下遠慮なくネタバレしているのでこれからご覧になる予定の方はお気をつけください!

第一章でめでたく転生を果たしたジャホン、しかし亡者の弁護を担当するカンニムは一度怨霊と化したジャホンの弟スホンを連れ、彼の裁判を行ってほしいと閻魔大王に直談判する。判官の首と使者の肩書を賭け、裁判を行う赦しを得るが、しかしそれには条件があると告げられる。それは下界ですでに寿命が尽きているにもかかわらず、屋敷を守護するソンジュ神に邪魔され冥界に連れてくることのできない亡者を48日以内に連れてくること、そしてソンジュ神を消滅させることだった。

冥界7つの裁判渡り歩くぜヤッホー!だった第一章(いやそんな話じゃない)は舞台設定の面白さと亡者の過去を明かしていく構図が物語をぐいぐい引っ張っていましたが、第二章は観客がすでに愛着を抱いた三人の使者(いやあれで愛着を抱くなと言う方が難しい)の過去の因縁を紐解くことで物語を牽引していくという、同じ作品でありながら見事に違うテイストの作品になっているんですよね。そしてこれ、第二章で明かされた過去の因縁(まさに因と縁!)を見た後、もう一回第一章を見返したくなるという罠が!ううう~~、踊らされてる~~、でも踊らされるの気持ちいい~~!

ソンジュ神のところへ行き、説得or調伏(って言っていいのかな)するはずだったヘウォンメクとドクチュンは、ソンジュ神がなぜ「姿現し」をしたのかの過去を知り、残される子供の行く末の手立てを講じるとともに、かつて自分たちが死んだときに使者だったというソンジュ神に、一千年前に「何があったのか?」を聞いていくことになる。片やカンニムはスホンとともに、「無念の死」の立証のために冥界の障害を越え、焦点となる二つの裁判を受けることになる。

ヘウォンメク&ドクチュン&ソンジュ側は過去の因縁も相当にドラマティカルで、かつ下界の出来事がマ・ドンソクとチェ・ジフンのオフビートなやりとり(ファンドはダメだ!笑った)で彩られるのに比べて、カンニム&スホン側はカンニムが何しろ自分の意図を明かさない(明かせない)のもあって、若干単調になりがちな部分はあるにせよ(突然のジュラワ笑いましたよ…)、とはいえそれを補ってあまりある最後の怒涛のカンニムの告白!私、忘れるってことは人間に等しく与えられた恩寵だと思っているんだけど、まさにカンニムはその恩寵を奪われて、己の罪と向き合い、赦しを乞うこともできないまま、あのふたりを1000年見つめてきたわけですよ。自分が自分の至らなさから死に至らしめた血のつながらない弟と、そしてまったく奪われる必要のなかった命を奪われた少女とをさ!!!しかもその二人には記憶がなくて自分をテジャン、使者様と慕ってくれる。そんでもってそのふたりとやることは下界から死者をつれてきて、その罪と向き合わせる弁護士って…地獄かー!ってなりませんか。

スホンが生き埋めにされたと知った時、これが49人目になる、それを果たせば記憶は消える、そして記憶が消えれば、二度と自分に告解するチャンスはない。そう思ったんだろうねあの時。自分が生き埋めにされたんじゃなかった。いやむしろその方がどんなにかよかったとカンニムは何度も考えたんじゃないですかね。

でまたさ、ヘウォンメクですよ。いやマジで、高麗最強の武将、通称「白い山猫」って出てきてもっふもふの首巻きして大立ち回りしてる過去のヘウォンメク見て、設定!濃い!つかネーミング!!と思ってたら現在のヘウォンメクがむちゃくちゃ悦に入ってたので大笑いしました。ここだけでなく何度も過去の設定の濃さを今のヘウォンメクが茶化すことによって対象化してくれるのがまたいちいちよかった。だって天涯孤独の身の上で敵の将軍に拾われて養子になって血のつながらない兄とうまくいかなくて挙句の果ての追放ってだけでも「も、盛りすぎ!」ってなるのに、さらにドクチュンとのエピ畳みかけてくるやん。ドクチュン完全に天使やん。もう、もう無理です!ってぐらいこっちのキャパいっぱいいっぱいですよ。何のキャパかって性癖のキャパですよ。しかも現世では途中で急に前髪おろす!かわいい!全方位隙なしかい!あの1000年前のドクチュンとの別れのシーン、白い毛皮を出して…ううう…へウォンメーク!!!(無駄に呼びたい)。

いやマジでこれを踏まえて第一章を見たい、第一章のカンニムを舐めるように見たい。しかもこれ、最後の最後まで「え?あ?そうなの!?」がポストクレジットシーンでどかどかくるので全然気が抜けなかった。そうか…カンニムは知らないままに父に告解を果たしていたのだね…でもって地獄の勧誘制度なに!?でもわかる、私もスホンは冥界でいい仕事すると思うヨ!彼が繰り返し「生まれ変わりたくない、あんな苦労二度としたくない」っていうの、なにげに重いし、でもスホンのすごいところはさー、あの二人をゆるしてるじゃん。ゆるしてるっていうか、あの二人がゆるされることを願ってるじゃん。関係ないけど私閻魔大王さまは御髪をおろしているときのスタイルが好みです(聞いてない)。

今回召還されるはずだった亡者は第一章でもちょくちょく出てて、しかもカンニムたちが見えてたっていうのもなるほどなー!ってなったし、ソンジュ神がヒョンドンの前では完全に「気は優しくて力持ち」なんだけど、ちゃーんとふてぶてしさがあるのもよかったなー。いやーほんとに面白かったです。使者トリオが好きすぎて、これスピンオフとかないの?見たいよー見たいよーって私の中の駄々っ子がおとなしくなる気配がありません!