「ノンストップ」

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そういえば今年にはいってぜんぜん映画見に行ってないな、なんかスカっとするやつが見たいな!と思い、間違いなくスカッとさせてくれそうなこの作品にしました。監督はイ・チョルハ

妻は揚げパン屋、夫はパソコン修理屋を営み、使い古した洗濯機の買い替えもままならないなか、娘のために節約にいそしむ一家。そんなところに降ってわいたハワイ懸賞旅行の当選の知らせ!最初は旅行をしぶる妻だったが、娘のために人生初の海外旅行、行こうぜ常夏のハワイへ!と思いきや、同じ飛行機に怪しい女の影、そしてそれを狙う男たちが…!どうする!どうなる!ハワイ旅行!

舐めてた○○が実は凄腕だった…パターンのようで実はそうではない、そのタネあかしにいたるまでの見せ方が非常に緻密でうまい。タネを明かしてからは逆に「ちょっとぐらい荒唐無稽でも大丈夫だよね!!!」とばかりにやらずぶったくりなのもよかった。しかし勢いがすごいのでもうこっちもごっくんごっくん飲み込んじゃいます。

航空パニックものは登場人物が当然固定されるので、ある種群像劇めくところがありますが、この作品も他の客席に座ったキャラクターの描き方がすごくよかった。威張り散らすだけの国会議員、アメリカ国籍を取得させるためのマタニティトラベル、ナッツリターンだってもちろんネタにしちゃいます。たまたま同乗したという諜報員はいったい誰!?な展開も笑ったなー。娘にはテコンドーじゃなくてバレエを!っていうミヨンの考え方も、それがどこからきているかを考えるとなるほどなとなっちゃうし、旦那さんのソクファンがぜんぜん「らしさ」を気にしてないのが救われるし、なにより夫婦がラブラブで娘ちゃんをめっちゃ愛してるのが本当にいいのだ。そこがこゆるぎもしないの、むっちゃ大事だ。

中盤以降の狭い空間をこれでもかと活かしたアクションの釣瓶打ち、終盤に返して返してまた返すどんでん返しの縞模様の波、最後の最後までワンダーを詰め込んでエンドロールに流れ込むのが最高に気持ちよかったな。ハワイいいよね。行きたいよ。ただただ浮かれる不要不急の旅って最高だったなーとしみじみしたりして。そうそう、飛行機の貨物室とか仮眠室とか見られたのもよかった、あの仮眠室こっぽりしててちょう良い。あそこで寝てみたい(笑)

あとね、ミヨンの揚げパンが本当に、本当に、美味しそうすぎた…シネマート心斎橋は揚げパンも売ってくれてたんですってね…知らなかった…揚げたてのねじり揚げパン、今すぐプリーズ!!!