「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」

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ファンタビ第3弾!第1作公開当初は三部作だよー言うてて、それがフタをあけたら5部作になったわーってどんどん広がる風呂敷。5部作という言葉が真ならちょうどシリーズ折り返しです。監督は前2作に引き続きデヴィッド・イェーツ

前作からダンブルドアとグリンデルバルドの過去の因縁に物語の軸足が移ってきてて、今作はさらにその色合いが濃いです。魔法界のトップを決める選挙戦の中、犯罪者として追われる身だったはずのグリンデルバルドは巧みな人心掌握術で無罪放免を勝ち取り、のみならずその選挙戦に名乗りを上げる。その切り札としてグリンデルバルドが用意したのが魔法界で珍重される生まれたての麒麟の子どもだった…という発端。

ファンタビの第1作は、ハリポタにずっぱまってない人間でもかなり広く門戸を開かれていたと思いますが、今回はダンブルドアとグリンデルバルドに焦点当たっていて、かつそのあたりの基礎知識は織り込み済みだよねみんな!みたいな感じではあった。あと脚本としては正直いまいち…というか、あまりにも有機的に各エピソードが繋がっていないきらいがあって、この登場人物の、こういう場面を見せたい、という数珠繋ぎでしかないというか。ユスフ・カーマのあの潜入(と記憶消去)の意味はどこに?ってなるし、記憶消されておしまいじゃなくてそれに対する反作用まで書くべきでは?と思った。テセウスが刑務所に入れられて救出しにいく流れもそうだし、冒頭の麒麟の誕生も出し、そのほかのシーンでも他出してましたが、背後をとられて昏倒、の連続でアイデアが一辺倒に感じられてしまったなー。クリーデンスのエピソードにしてもうまく物語に組み込めてなかったように思う。

組み込めていないといえばティナが「忙しい」って理由でまったく姿を現さないのも不思議だった。ニュートとの関係というより、妹がグリンデルバルドのところに走ってるのに放置すっか…となっちゃうし、あまりにも不自然だったなと。キャストスケジュールの都合とかだとしても、もう少しフォローしてあげてもいいのでは(影ながら動いてたとかさ)と思った。

しかし、そういうもろもろありつつも、ここまで積み上げてきた膨大な世界観と膨大な書き込み、それに立脚したキャラクター造形、その引力が相当すごいので、普通に楽しんで観られちゃうのはすごい。ダンブルドアとグリンデルバルドのシーンだけ作者の筆圧バリ高みたいな感覚は前作と同じで、いやもうクライマックスとかさ、これが僕の愛 これが僕の心臓の音…じゃねーんだよ!!!って心の中でツッコミが炸裂した私である。そうそう、今作では降板したジョニー・デップに代わりグリンデルバルドをマッツ・ミケルセンが演じてますけども、今作のグリンデルバルドが暗躍よりも権力掌握に傾く造形だったので、まーじでずっぱまりだった。さすがですね。

私はこの作品の中ではニュートとお兄ちゃん、ニュートとジェイコブの関係性が好きなので、そこを追っているだけでも普通に楽しかったです。お兄ちゃんとりあえず今作は生き延びた。よかったね。マンティコアのシーンは今作一番の笑いどころ。マンダ先生まじマンダ先生。今回初登場のユーラリー先生もすごく魅力的だったな~。正しい鞄を持っているのが誰か…というクライマックスの展開は個人的に大好き。有能!!

今回のラストシーンが「あれっ3部作で終わりだっけ?」と思うほど大団円ぽく(だって結婚式でラストって、ピリオド打つときの常套手段じゃん)、この先どういう展開になるんdなろうなと思いつつも、まあグリンデルバルドが絡んでくるんだろうけど、個人的にはこのシリーズにはやはり魔法動物がもっとバンバン新種も含めて出てきてほしいなと思っております。あとはテセウス兄さんがどこまで生き延びてくれるかだよ…!最終作ラストシーンまで生き残っていたらお赤飯!炊きます!