「八月納涼歌舞伎 第二部」

新門辰五郎」。歌舞伎座では47年ぶりの上演だそうです。もちろん初見だ!青山青果らしい台詞台詞の応酬が各所に観られ、歌舞伎としてはちと異質と思えど、私は台詞の応酬なら大抵のものを美味しくいただけるタチなので非常に面白く拝見しました。いかにも「いい男」な辰五郎の所作ひとつひとつ見るのも楽しいし、勘九郎さん演じる会津小鉄が喧嘩の仲裁にきたとき(あの割って入り方!素晴らしすぎる)のあの二人のやりとり、むちゃ最高だったね。ラーメンズのコントに出てきた「うやうや条例」みたいな格式ばった物言い、実によかった。加えてこの演目に歌六さんが出て下さってるのが一層厚みを増していて、辰五郎にお前の本分はここじゃねえよなあ、と彼の火消しとしての本性を恃むところとか、さすがに見応えがありました。私は勘九郎さんと幸四郎さんのコンビスキーなので、ふたりががっつり顔を合わせる演目というだけで甘い点をつけちまうダメな観客でござんすよ!

「団子売」。巳之助さんの杵造、児太郎さんのお福。児太郎さん久しぶりに拝見した気がするよ!きりっとした巳之助さんと、何とも言えず色っぽい児太郎さんでよい顔合わせだったんじゃないでしょうか。児太郎さんほんと、何とも言えない水っぽい色気があって、これはお父さまから受け継いだもの…確かに…ある!みたいな気持ちになりましたね。血の濃さ!