「八月納涼歌舞伎 第一部」

「ゆうれい貸屋」。腕はいいが怠け者の男がいて、気のいい女房(または娘)は愛想を尽かして出ていき、そこに人ならざる者が女房代わりに出てくる…ってこんな話つい最近も観たな!?と思ったら歌舞伎町大歌舞伎の「福叶神恋噺」だった。あっちは貧乏神だけども。

この演目、初見かな?と思って自分の感想検索したら2007年8月の納涼歌舞伎で拝見してました。そのときの座組、弥六が三津五郎さんで染次が福助さん、又蔵が勘三郎さんっていう、今回完全に次世代になってるやつやん!すご!しかも今回も全員はまり役!ちなみにこの時のお千代は七之助さんだった。ぴったりすぎ。

現世でつらくても、あの世にいけばきっと報われる、そんな考えは何の意味もなく、なにもかも生きているうちのことだ、という台詞がこの芝居のキモだと思うけども、それを勘九郎さんと巳之助さんのやりとりで聴けるというのもまた、ぐっとくるものがありました。

児太郎さんも巳之助さんもコメディのセンスがあり、存分に笑わせてくれかつ時節的にもぴったりな演目で満足度高かったです。

「鵜の殿様」。幸四郎さん染五郎さん親子による舞踊で、実に楽しかった!故郷の鵜飼の様子を太郎冠者に語らせる殿様と、鵜飼を再現するのにその殿様をまんまと鵜にしちゃう太郎冠者なんだけど、操られる「鵜」をやるお二人の動きが本当に見事で、観客からも感嘆の声と拍手が沸き起こるほど。染五郎さん、お顔がよいだけにわがまま放題な殿様がはまりすぎてて、この人のサイコパス悪役とか見てみたいわ…と想像してみたり。幸四郎さんの踊りの確かさはもちろん、染五郎さんもよく鍛えられてるなァと感嘆しました。アクロバティックなことをやりつつもそうは見せない技術の高さと、単純なおかしみを両立させていて、実に楽しい一幕でございました!