特段何がダメ、というのではないんですが、物語の筋立てのちょっとした「飲み込めなさ」がなんとなく最後まで気になってしまった印象が強かったなぁ。週末の夜女友達だけで(既婚者含む)ゲームに打ち興じる感じもちょっと?だし(女はゲームなんてしなくても話のタネに困ることはないと思う)オリーブのだらしなさも「おかしな」ってほどの事もないような、と思えてしまうし、フローレンスが最後男の所に転がり込むのもどうかなぁ・・・と思えてしまったのです。というか、これは先に男編を見てるからのような気もするんだよねえ。女編を先に見ていたらそういうところは気にならなかったかも。
演出の鈴木さんがパンフで「男編は再生を、女編は新生をテーマに」と言ってらっしゃるんですが、フローレンスがスペイン人兄弟の所に転がり込むだけでは「新生」のイメージまではいかなかったなあ。オリーブの方は過去の因縁を断ち切ってるのでまあ少しはスッキリ感もあるんだけど、やはりここはフローレンスが独り立ちするとこまで行ってこその新生ではなかろうか。
オリーブの小林聡美さんは素敵で軽やかで、しかしだからこそ「おかしな2人」というよりは気のいい仲間、みたいに見えてしまった感もあり。小泉さんはさすがの可愛さで、それは確かに見る価値あるなと思わせるんですが、個人的には発声がちょっと気になったなぁ。勘に触る声というか。大きな声の出し合いになるとただヒステリックに叫んでいるように聞こえてしまったのが残念。他の女性陣も役者としてはかなり大好きな方ばかりなんですが、もともとの設定が弱いのか、いまいちキャラクターとしてピンとこず。八嶋&高橋のスペイン人兄弟コンビは期待値を上回りすぎるほどのおかしさで、八嶋さんちょっとやりすぎでは、と思うところもなきにしもあらずですが、それでも確実に笑いをさらっていくのはさすがだなぁと感服いたしました。というか、コメディとしての笑いが女編はほぼこの2人組のシーンに集中していたのがやっぱりちょっと悲しい気がするのですが。
何を隠そう、というか別に隠すことでもないし有名な話ですが、ここでスペイン人兄弟をやった八嶋&高橋コンビが、その息の合いっぷりから深夜番組としてスタートした「トリビアの泉」の司会者に抜擢されたわけですね。
人生、どこで変わるかわからんのう。