名古屋平成中村座 夜の部

チケット取ったときに、両方桟敷で取ろうか、でも昼夜連続で桟敷だと腰がつらいかもな・・・と思って夜の部は椅子席にしたんですが、なんと!名古屋平成中村座の桟敷は座椅子つきなんですよ!えー!だったら両方桟敷で取るんだった!実際桟敷の方が全然ラクでした。失敗したなー。

  • 傾城反魂香

浅草以来二度目。あのときも又平は勘太郎くん、そしておとくは亀治郎さんだった。今回は七之助くんで、兄弟での演目。
それでまたこんなこというのもなんなんですけど、浅草で見たのなんてたかだか1年前なのに、どうしたことなの勘太郎くんのこの見違えるような進化は!っていう。浅草は、確かにキャラに合ってて熱演してるな、という程度の印象で、個人的にはもう亀治郎さんのおとくのすばらしさのほうが心に残ったんですが、いやーもう全然違う。たった1年で!オソロシス。

先にも書いたようにこの日は1日中ひどい雨で、ということは仮設テントは屋根に雨が当たる音がへたすると役者の台詞をかき消してしまうわけです。この夜の部の最初は特に雨足が強くて、正直冒頭の台詞はほとんど聞き取れなかった。客席も雨の音が気になってしまって明らかに舞台に集中してない(呼吸が合ってない、という感じ)。それを徐々に立て直していく七之助くんもよかったが、しかしあの芝居で観客の集中力を一気に高めたのは勘太郎くんだった。すげーよマジで。

それにしても勘太郎くんの七之助くんの兄弟はいいコンビだねえ。これからも兄弟でいろんな役をやっていくのが楽しみ。

  • 極付播随長兵衛

橋之助さんの男前っぷりをこれでもか!と堪能できる一幕でした。男の意地とメンツのぶつかり合い。劇中劇を巡る騒動、桟敷席から現れる長兵衛、お大尽席から声をかける十郎左衛門、と四方八方で展開していく芝居は見応えたっぷり。

いかにも「男が男に惚れる」というような人物像なので、ほんとに隅から隅までオットコマエな芝居をする橋之助さんと、その心意気に感じるところがありつつも、旗本という立場とメンツがそれを認めることを許さない、という勘三郎さんのおさえた芝居が対照的でした。

  • 元禄花見踊

これもまた七之助くんと勘太郎くんで。そして舞踊ってことでもう私は勘太郎くんしか見ていません。だって勘太郎くんの踊り大好きなんだもー!
がっつり、というわけではないにしても相変わらずの安定感、そして美しい所作を堪能しました。でもって、夜の部はないだろうと思っていたのに最後にここでも後ろを大きくあけるという演出が。そこには桜の木が満開で、花びらがひらひらと舞い散るという・・・思わず「おおお」と声を出してしまう美しさ。幻想的だったなあ。
勘太郎くんの野外での舞踊っていうのも見てみたいなーなんて思いましたです。