「チェーホフ?!」

ケラさんがtwitterでまさに「絶賛」されてるのを見てそわそわと煽られてしまいぽちっとチケット購入。Corichの当日精算予約初めて使ったやー。べんり、べんり。

劇場に入ってまず、あれっ客席が狭くなってる!と驚きました。小ホール1のスペースにかなり奥行きのある舞台を組んでいて、しかも舞台の前にはオーケストラピットが設えてある…そう、これ生演奏だったんですよ!4500円のチケット代でアンサンブルの生演奏のもとに舞台が見られるなんて、なんという贅沢!

舞台はまさにプロセニアム、といった感じの、紙芝居の額縁のようなセットになっているのですが、まさにその通りの印象で、ほんとうに影絵本を読んでいるような感覚に陥った不思議な舞台でした。

いずれのシーンもチェーホフの短編がモチーフになっているらしいのですが、チェーホフの短編を手にしたことのない私には原典は皆目わからず。しかし、わからなくても舞台上に現れては消える世界の圧倒的な美しさは堪能できますし、その絵本のような世界のなかに、どこか「いびつさ」を残している役者たち(個人的に最大級の賛辞のつもり)がはまることはまること。かわいい、きれいというのではない、美しい、だけどコワイ、というような感覚に満ちた舞台だったなあと。

ホリゾントライトを基調にほとんど影絵のようにみせていたあたりとか、そのままどこを切り取ってもかんぺきに美しい、そのままポスターにでもできるんじゃないかというような構図の美しさに惚れ惚れ。

改修前の最後の東芸主催公演だったそうですが、公共ホールだからこそできる公演だよなあとも思ったので(価格設定も含め)、こういう制作活動を今後も継続してもらえたらなあと思いました。