「KNIFE」惑星ピスタチオ

好きだーーーーー!!!!!!誰になんと言われようとあたしはこの芝居が好きだーーー!!!初演見たとき目からウロコが落ちまくったけど、再演でじっくり見ても十分見応えのある作品。インパクト勝負の作品じゃないのよね。やっぱり傑作ですよ、傑作。

ただ、この公演を前にしてなんと佐々木蔵之介平和堂ミラノ、いちいりえが退団してしまい、6人!でこの舞台をやりきったんですよ。一回目は(2回見に行ったの。愛ね。)その6人だっていうのを観客である私も演ってる方も意識しているようなところがあって「やはり初演にはかなわないか・・・・」と思ったんだけど、2回目はもうものすごいテンションと緊張感で、ホント、圧倒されました。

初演でナイフをやった高橋さんも辞めてしまっているので今回は腹筋さんが主役。保村さんは変わらずのサリー・クラウン役でかっっっっっこよかった・・・・・・・。ストーリーも台詞自体も初演とほとんど変更はなく、ナイフが誰の結末をも見届けることができずに追われる主軸はそのまんま。今回特に印象に残っているのは、遠山さんと保村さんの信長と蘭丸のシーン。遠山さんの叫びが切なくて泣けた・・・。あと、前回いちいさんのやった女主人の吐く台詞、「私の結末はあんたなんかに関係ないわ」は相変わらずこの芝居を一言で表していて秀逸でした。

今までの登場人物がナイフの頭の中でオーバーラップするクライマックス、もう、ホント言葉ございません。凄すぎ。これが演劇の力なんだなぁと思い知らされます。ちなみに私はこのシーンで宇田さんが言う「ブラックバーボン、カッときますぜ」の台詞に無茶弱い。今まで3回きいて3回ともここで涙が出てくる。なんでかわからんけど。

ラストの、二人の飛行機が地上に降りるまでの長い長いマイム、向かい合うナイフとサリー。「ナイフ!」の群唱とともに暗転。くーーーーー!!!何遍でも何遍でも見ていたい芝居でした。逆境(であろう)と思われるこの劇団だけど、こんな作品ができるのだから、まだまだ大丈夫。あたしは応援するぜ!

今思い返しても、これは埋もれるのが惜しい、惜しすぎる大傑作。「物語」を見せるうえでの、ひとつのコロンブスの卵と言っていいと思う。誰もが、「どう結末を書くか」に汲々とする中、あえてそれを放棄し、なおかつそれを「必然」として見せたこの「ナイフ」は小劇場演劇のひとつの到達点だと思います。出来ればこれを誰か映画化して欲しいな。ハリウッドですげえ予算をかけて。あー、見てみたすぎる!