「Right eye」NODAMAP番外公演

  • シアタートラム    B列8番
  • 作・演出   野田秀樹

野田MAP番外編、私にとっては本編、の公演。今回も少人数な3人芝居で野田さん、吹越さんに牧瀬里穂。牧瀬には飛龍伝のつらーい思い出があったのだが、今回は思った以上の好演でした。野田マジック?まあ周り二人がうますぎるんで、彼女が出てるシーンと出ていないシーンで差があったのはしょうがないでしょう・・・・。

この話は野田さんが右目を失明したときの話で、まあまずそれを聞いたときに「やられた・・・」と思いましたねえ。舞台中の台詞で野田さんも言ってたけど、失明を公開して下手なヒューマニストたちを呼び寄せるぐらいなら舌噛んで死んだ方がマシ、って思ってる人だから、ここまで(10年ぐらい前らしい)言わなかったんだろうけど、ここで言われると今まで見てきた客はドキッとせざるを得ないじゃないですか。ずるいわ野田さん。

ストーリーの主軸になっているのはカンボジアで命を落とした写真家(実在らしいのだが)と、野田さん自身が交錯していくんだけど、まあ、さすがの一語につきます。舞台装置もすごくシンプルなのに力強くて、もちろん役者も素晴らしいし、言うことなし。吹越さんは恐ろしいぐらいうまい。ラスト、野田さんお得意の独白「僕はこの残った左目で、正しい世界を見続ける義務がある。・・・・・・いや、自由がある。」天才ですよ、何回も言うけど。番外編はこんなに素晴らしいのになんで・・・・。

チケット争奪戦激戦でしたね。野田地図番外はほんと大変。
カメラマンって、多分、いや絶対一ノ瀬泰三だ。今浅野忠信主演でやってる「地雷を踏んだらサヨウナラ」の映画のモデルの。芝居の中で一之蔵って言ってたし。