「蠅取り紙」  自転車キンクリートSTORE

あたしが前見たのが再演だったから、再再演ってことになるのかな?前回見たときも思ったけど、ほんとに良くできたお芝居だと思う。芝居の中で、30過ぎても彼氏もいなくて仕事にも情熱を見いだせない長女と、仕事か結婚かで選択を迫られてる次女と、兄の友人と不倫の末結婚してしまった三女と、長男なのに婿養子に行った末、向こうの両親との同居を迫られてる長男と、芝居をやっていきたいと思っているのに劇団がつぶれてしまった次男が出て来るんだけど、芝居を見ている人それぞれ、みんなどっか同じような悩みを持っていたりするじゃないですか。

この芝居の中では、ハワイに行っているはずなのに幽霊(?)として日本に帰ってきてしまった母親がいて、その母親は自分たち子供のことが心配で、生き霊になって帰ってきちゃったんだと。だから母親をちゃんと安心させて心をハワイにある体に返してあげようって5人の子供+三女の旦那さんが、今、自分たちの前にある問題に対して前向きになっていく姿が描かれているんだけど、それはそのまま、似たような悩みを持った登場人物と自分を重ねていた観客の心も前向きにしていく力がね、やっぱりあるんですよね。

前回とキャストは殆ど変更になっていなかったんだけど、次男をやったナイロンの大倉くんが、非常にとぼけた感じのいい味を出してて、おいしいところも殆ど持っていっていたような(笑)。三女の旦那さんをやった久松さんは、なんか前の時より凄く深みがあって良かったです。これテレビとかでもやれそうなんだけど。やっぱ舞台だから成立する話なのかなぁ・・・。

「テレビでもやれそう」。しょにょとおり。その後「演技者。」で取り上げられました。