「熱闘!飛龍小学校☆パワード」

通算3回目の飛龍。思えば6年前、姉に勧められて見に行った「飛龍」のオープニングの群唱が、私をピスタチオの世界に引きずり込んだのだなぁと思う。「百の口からこぼれ出た、宇宙に関する千の噂!」うーん、やっぱ格好いいわこれ。

物語の骨格は3年前のパワードバージョンと大筋で同じだと思うんだけど、最初のね、探偵キムと二人で飛龍エメラルドを探しているっていうオープニングのシーンはね・・今回お初じゃなかったかと思うんだけど。違う?(まるきり自信なし)まあそれがあったか無かったかは小さいことなんだけど、というかあそこでジョーがキムを助けに行けなかったことによって、「友情」っつーのがものすごく大きな、ジョーの行動原理になってくるじゃないですか、後半。なぜ今、友情!?とかあたしはすぐ深読み妄想大暴走してしまいがちなんですけどね(笑)とか言いながら3年前から実は同じだったりして。あり得すぎ。それで3年前のパンフとか自分の書いた感想とか引っぱり出してみたんだけど書いてねえ!(笑)あたし、役立たず!それで気が付いたんだが3年前は宇田さんが転校生ウォンをやっている!!!うそーーーーー!!!見た過ぎーーー!!(ダブルキャストだったためあたしの時は宇田さんじゃなかった)うわーーなんかめっちゃ後悔。って全然今回の芝居と関係ないやんか。

轟天寺と言えば佐々木蔵之介佐々木蔵之介といえば轟天寺、はたまた真面目口といえば腹筋、腹筋といえば真面目口というドはまりキャラ二人なしで、いわば飛車角落ちでの再演となった今回でしたが、意外なほどにあたしは気になりませんでした。勿論佐々木さんが演じた轟天寺の迫力が宇田さんにあったわけではないですが、轟天寺のキャラそのものも変えていたし、飛龍小学校一おしゃれな6年生っつーのはなんか宇田さんにあってて面白かった。真面目口と不知火は二役にわけることで腹筋さんの影響力を最小限に出来ていたような気がしました。しかし不知火役の末満さん、格好良すぎ。バカと罵られて再起不能になりそうなところを轟天寺の一喝で復活するところとか、なんか妙に胸打たれてしまいましたが。

保村さんのジョーはねえ、流石というかなんというか。当たり前か。カッコイイよねえ。あとは客演の皆様方だったのですが、印象に残ったのはなんと言ってもウォン役の伊藤えん魔さん。うめー!関西でいっぱい芝居見てるヒトなら絶対名前は知っているであろう伊藤さん!そうかぁこの人かぁ・・・。って妙に感慨ぶかかったっス。遠山児童会長役の川田さんの声は枯れ枯れだった(笑)。真面目口パチヨ役の角さん、なーんか声といい顔といい秋吉久美子激似!と思ったのは私だけでしたでしょうか(笑)。

「飛龍」がパワードバージョンになってから何がいいって、やっぱラストだと思うんですよ。夕日に向かって飛龍エメラルドを打ち込まなきゃいけない、でも陽はどんどん沈んでいく・・・もう間に合わないか?と思った矢先にまだ塔を上へ上へと登っていくジョー。「塔の頂上からなら、まだ夕日が見えるかもしれねえ!あいつは、まだ諦めちゃいねえぜ!」かっこよすぎ!!!と思いません?何度見てもゾクゾクするなぁ。そうして結局彼は飛龍小学校を救うことを選んで・・・でも「伝説」は「噂」は死なずに残るんですよ。あーーかっこいい。

探偵、噂ブローカー、児童会、ジャッジドレッド、高学年校舎、飼育委員長、時計塔、超古代卒業文集、飛龍エメラルド。
たしかに、フィクション中のフィクションみたいな設定だけど、でも彼らはそんなこと言いながら「下校時間には帰らなきゃダメ」な小学生なんですよ。「大人になっちゃいけない」小学生。そりゃ、跳ね橋のかかる高学年校舎なんてどこにもないけど(笑)、でもあたしが小学校の時、高学年の教室が集まる廊下って気安く歩けるものじゃなかったし、オークションこそ開いていないけどみょーに噂好きの子とかってのは確かにいた。
だからこれって、実はどこにでもある小学校の事なんじゃないの?と思ったりもするのです。
シャトナーさんには、あの世界がこう見えているだけなんじゃないのかな?って。それこそが、ピスタチオの、もといシャトナーさんの最大の才能だと思ってしまうのですが。