「第17捕虜収容所」  自転車キンクリートSTORE

何年ぶりの再演なんでしょうかね。初演非常によかったので、また見れて嬉しいです。なにしろ男しか出てこないし!まるで私のためにあるような・・・(笑)

もともと原作のあるお話(映画にもなっているらしい)なんですが、原作知らないんだけどほんっと非常に上手く舞台化してるよなあと感心しきり。第二次世界大戦下のドイツ軍捕虜収容所の話なので、基本的に話は重いしラストの展開も後味の悪さが残るんですが、その後味の悪さこそが「戦争」ってもののいやらしさの正体なんだという見方もできるだろうし、いやお話の世界のことなんだよと、最後のカタルシスに酔う見方もできるだろうし。10人近くのキャストがほとんど出ずっぱりでいるのにごちゃごちゃしない演出も、後半まではビミョーに伏線はりつつスパイが誰かを察知させない脚本もお見事!後半はほんとに手に汗握る展開で、もー心臓ばくばくしっぱなし。いや〜いい芝居見させて貰ったなぁ。

っつーかほんとね・・・とりあえずコレ叫んでおかなきゃいけないと思うんだけど。
京さん格好良すぎて私は死にそうでした!!
中盤でプライスがスパイだって突き止めて、暗闇の中でろうそくの火を吹き消すシーンあるでしょ?なんなんでしょうあの格好良さ。その後暗転だったからいいようなものの、あれあかりついていたらヘンタイ扱いだぞワタシ(じたばたして苦しんでいたから)。もうずーっと下手の方ばっか見ちゃいそうで自分を制するのに必死。素敵すぎる・・・そんで京さんってもちろん格好いいんだけどそれ以上にあの声がもうー!ダメです。あのちょっと高めのよく響く声。もう大好き。オレのハートを鷲掴みさ。ああ眼福眼福。川原さんのリーダーもすげえはまっていてよかったなぁ。高橋克実さんも久々、舞台でお見かけしたんですけど、相変わらずうまいよねえ。

ところでみなさん、スパイの正体っていつわかりました?というか、誰を疑ってました?私は実は初演を見たときは、さっくりストッシュを疑っておりました(笑)なんか樋渡さんのキャラがさ〜、調子よくていかにも裏の顔ありそうじゃない?プライスってのは意外だったんですけど。初演はセフトンが吉田朝さんでプライスが京さんだったんですが、まあ私の記憶をさらってみると,一番強烈だったのは「まさかスパイが京さんだとは思わなかった!」っていうのが一番でかかったんですよ。何しろ樋渡さん(ストッシュ)かマルコだと思っていたもので…というか当時のキャストから考えて,まさか京さんが裏切り者ではなかろうと。そういう意味ではすっかりだまされましたね(笑)中盤であの手拭きをこっそり掛け替えるのを見たとき「うっそ!」とのけぞってしまいそうになったのを思い出します。

あとはそうだなぁ,今回見てて,プライスがドイツ語でシュルツと即席爆弾の作り方を話すシーンとか,ああ〜あったあったって感じだったんですが。でもそのあとセフトンがろうそくの火を吹き消すシーンは京さんのがかっこよかったよ…とか(しつこいよ自分。そして吉田さんごめん)。京さんのプライスはとにかく前半は本当にウソみたいなさわやかさんでしたね。なんかみんなの仲裁に入ったりしているし。ちなみに今回の高橋さんは「おやじ」って呼ばれてましたけど,それは今回のみで,京さんはさすがにおやじとは呼ばれてなかったです。しかし前半ものすごいい人オーラ出していただけに,ラストでみんなに取り押さえられて抵抗するシーンの鬼気迫る感じがちょっと忘れられません。ホントに顔とか真っ赤にして暴れまくってました。たぶん本気で逃げるつもりでやれっていう演出の指示だと思うんですけど,あの小さい京さんにストッシュやハリーがマジで振り払われたりとかして,もー見ててどきどきしてしょうがなかったなあ。
しかもこれ,セフトンが吉田さんですからね。もーほんっとにイヤな奴っぽかったの!(再び暴言,吉田さんすいません・汗)しかし,よく考えたらおいしい役だよなあセフトン。ホーニーと並んでおいしい役かも。ちなみに吉田さんのセフトンはほっとんど笑い取ったりしてなかったですが,京さんは…(笑)性でしょうかね。でも2枚目な京さんを堪能できて私としては大満足でしたが。