「春子ブックセンター」  大人計画

2時間充実した笑いをありがとう、というところかな。とにかく凄く笑わせてもらって楽しませてもらって、私的にはもうそれでおつりが来るほど充分です。いやー楽しかった!

私はそれほど大人計画自体に思い入れがあるわけではないので、宮藤さんが本公演の脚本を書く、と言われても「うわー楽しみー」ぐらいの感想しかなかったんですが、やはり特別な思い入れがあるひとにとってはフクザツなのかもしれないですね。(第三舞台で言ったら本公演で伊藤さんが作・演出するようなものか?)

これは以前から思っていたことなんですが、芝居の中で客を笑わせる、っていうのは、ある設定があってキャラがあって、それをふまえた上でその「キャラ」がやってるから笑える、って部分があるわけですよね。でも今回みたいに芝居の中で「漫才」をやって、純粋にその漫才で笑わせるっていうのは結構タイヘンな事だと思うんですよ。三谷さんがBN☆GTをやったとき、劇中に出てくるコントを「ちゃんと面白く」書くことができないと悩んでおられたんだけど、実際にそこでやるコントなり漫才なりが面白くないと、それまでの設定(たとえば往年の名コンビ、だとか笑いで一世を風靡した、とか)がまったく真実味のないものになってしまうわけで。でも今回の「春子」はラストの3人の漫才もちゃんと面白く、漫才として書いた(純粋に、とは言えないかもしれませんが)のは宮藤さん凄いなぁと。その力業に感心してしまったり。

今回のキャストでは私は宮崎吐夢さんが一番のお気に入りです〜。マイキー先生最高!以前松尾さんが宮崎さんは宮藤さんの作品の方が自由にやれるみたい、と著書でおっしゃってたんですが、うーん本当にそうかも、と思いました。しかも振り付けまで宮藤さん本人でされたとわ・・・多才だなぁ・・・。あと猫背さん演じる馬場麗子の「あの頃はなんでもできる気がしたなぁ」とかも大好き。宍戸さんの下丸子も池津さんのむーやんもよかったなぁ。紙ちゃんはちょっとどうかと思うほど可愛かったし。阿部さんと松尾さんのふたりはさすがというか、松尾さんのあの得体の知れなさぶりは凄いなぁと。阿部さんは登場イキナリものすごオットコマエなのに、だんだんダメ〜になっていく様がたまらんくツボでした。