「決闘!高田馬場」2回目

21日のソワレを見ました。この日はトラブルが多かったー!まず長屋に安兵衛が帰ってきてから、又八と酒を買ってくる、こないのやりとりがあったあと、勘太郎くんが出ていくときに障子が外れてしまったの!で、そのあとご存じのように次々と長屋の住人が出てくるわけで*1、皆それぞれ役のまま障子を直そうとはしてみたんだけどうまくいかず。ついには染さま自らが起きあがって障子を直してました。裏で黒子さんが必死で直そうとしてたみたいなんだけど、それもうまくいかず。染さま、「これが直るまで俺は続きをやらない」とか言い出すし!長屋の皆さんもトラブルに困るというよりは「なんだかいっぱい手が出てきたよ(黒子さんの手だけが見えていたので)」「誰の手?」「大工呼べよ大工!又八どうした」「その又八がこわしたんだよ」とアドリブし放題(笑)結局高麗蔵さんと染さまで直してしまったんですが、そのあと出てくる勘太郎くんが勢い良くスパーン!と障子を開けたあと、ちらっと無事かを確認して笑いを取ったりして、皆芝居心、遊び心が達者ですっげえなあと思いましたです。

次は例の人形劇で、染さまが台詞を飛ばす。それが金太郎人形が出てくるきっかけ台詞だったので、勘ちゃんに速攻「ひどいや・・・きっかけ台詞飛ばすなんて・・・」と怒られる(笑)しどろもどろの染さまに必死で笑いをこらえる亀治郎さん。その亀治郎さん人形に絡もうとした勘太郎くん、いきなり「腹が減っているか」と聞かれ答える間もなくたたき落とされておりました(笑)あーおかしかった。

それにしてもあの人形、ほんつかわいいっすよね!また亀治郎さんの人形使いっぷりがとてつもなくキュート!

そしてクライマックス。又八が安兵衛を挑発し斬られてしまうところで、斬られて倒れた瞬間に又八のカツラが取れてしまいました。染さまの立ち回りの短い間に外れたカツラを直そうとしていたのですが、間に合わないと判断したのか安兵衛が又八の元に駆け寄ってくる一瞬前に、瞬時にカツラを舞台後方へ投げてそのまま続行。いや微塵も動じていない様子のお二人が凄かったです。勘太郎くんの髪型がヅラなしでも不自然でなくてよかったよねえ。

しかしカーテンコールでは、深々と頭を下げて「すいませんでした」と(口パクで)言っていた勘太郎くんなのでした。

ちなみにこの日は王ジャパンキューバを破ってWBC優勝を決めた直後で、人形劇の「夕日に向かってダッシュ」のところで夕日の後ろに白い幕が登場。と、日本国旗に早変わり!万歳コールのおまけつき。

そうそう、「王貞治型」のところでは拍手も起こってましたよん。

そんなこんなでこの日はかなりグダグダなところもあり、芝居の出来としては実は先日中継で見た回の方が締まって良い出来だなあと思ったのですが、まあこんなこともたまにはあるか、と。

三谷さんの得意技な脚本ではないと思うって感想では書いたんですけど、でも登場人物すべてに「出てくる意味」を持たせるところ、いなくてもいい人はいない、という作り方はまさに三谷さんですよね。その持ち味は絶対になくして欲しくないなーって思いますです。

*1:しかも「婆さん」のタイミングがあるので遅れられない