「朧の森に棲む鬼」東京千秋楽を観る

芝居に関係あることもないこともメモ書きでどん。ねたばれありです。

  • 歌舞伎座、浅草歌舞伎共に前日の26日が千秋楽だったので、幸四郎さんや勘三郎さん、勘太郎くんや愛之助さんなんかが見に来るんじゃないのかなとミーハー心丸出しでいたわけですが、私の斜め後ろに幸四郎さんご夫妻お出でになってました。勘太郎くんも来ていたらしいけどわからなかった!きー!あと斜め前に糸井さんがいた。
  • 開演前に久しぶりにプロデューサーの細川さんをお見かけする。いつまでも若々しくて驚くわ!
  • せっかくなので今日は「朧鬼弁当」を買ってみた。味は普通だった(笑)
  • 最初のオボロのシーンで、聖子さん歌詞を飛ばす。しかも「人の国の王になろうとでもいう男でもない限り」の歌い出しを「好きな男」と始めてしまって(どこと間違えたんだ?)続きがハナモゲに。しかもその台詞を受けてライの「王?俺がか?」になるわけで、これは一発で罰ゲームものなのではないかと思った。
  • 全体に楽日ならではなのか、タガが緩んだ印象だった。空気的には前日のソワレに観たときの方が締まっていたと思う。まあ、楽日はこういうお祭り騒ぎを楽しむものだ、と言ってしまえばそれまでですが
  • 古田さんも昨日は完璧だったのにいきなり最初の台詞で噛むし!
  • 染さまも途中何度か怪しかった。でも声は昨日より調子よかった感じ。昨日は最初の第一声聞いて「え?嗄れてるの?」と思ったけど(結局大丈夫だったんだけど)、この日はまったくそんなことなかった
  • ヤスマサの手紙をツナの前で朗読するところ、前日結構染さまが遊んでるな、って感じだったんだけど、今日は暴走しようとする(暴走する気は満々だったとみた)サダヲちゃんに対し秋山さんが一言「キンタ、気は済んだか」。思わず土下座するキンタ(笑)
  • 今回衣装がすごくよくて、特に染さまはまあどれもこれもツボりまくりだったですけども、私は検非違使の時の赤黒の衣装が一番好きかな〜。髪型もね、なんか阿修羅の時の鬼御門時代っぽくて好きだ。橙の直衣を着ているやつも雰囲気あっていい。
  • その検非違使の時にマダレと立ち会うところ、刀を合わせて中央で止まるときに段差を外したのか染さまが倒れそうになったのを、とっさに古田が身体を入れて支えていた。そのまま台詞は続行していたが一瞬ひやりとしてしまった
  • 本水を使っているので立ち回りの時足下大丈夫なのかな、と結構気になっていたんだけど、どうだったんでしょうね。飛沫だけでも残ると滑るんじゃないかなあと思ったけど、その辺は今度上から舞台を観るとき観察してみます
  • とはいえ最後の染さまは大変だよね---いやもちろんそれを受ける皆さんも大変なんですが
  • 田山さんの「シキブはさあ、浮かれ女だから」、ウラベの「とんだ茶番に付き合わされたな」あたり、出番が少ないとはいえがっつり印象に残る役作りだったよなあと思う
  • 小須田さんは個人的にはもっと冷徹な役で観たい気もしましたが、粟根さんと終始楽しそうなのはよかったです。アンコールの挨拶かっこいい
  • やーやっぱり千秋楽は緩むなあ、これはこれで楽しいけどなあ、と思いながら観ていたんですが、終盤、それをシュテンが一気に空気を変えてくれた感じがあった。真木よう子ちゃんは断然千秋楽の方がデキがよかったです。余裕がないから一人必死で、それが最後は他の役者にも伝染した感じがあった。千秋楽の「これはあたしの復讐だ!」はすっげえよかったよ。
  • ラストでライ、マダレ、ツナ、キンタの4人が舞台に残るところは何ともいえずゾクゾクする。あーこういうゾクゾク感て新感線ならではだよなあ、と思う
  • あーそうだ、前日観て「あれ?」と思ったところ、楽を観てやっぱ昨日ミスってたんだ、というところが2カ所ほどあった。キンタの「見えなくなったことで、人の気持ちがわかるようになった。狸とか狐とか」「それは人じゃない、獣だ」「そうか、ともかく見えなくなったことで見えるようになったものもある」なのに、26日の時「そうか、ともかく見えなくなったことで、人の気持ちがわかるようになった」繰り返してどうする!(笑)あと、マダレがライに「腕落ちたんじゃねえか」っていうところ、その前の殺陣で一瞬染さまの手が止まってしまって(必然的に古田の手も止まる)、アレ?って思ったんだけど、その後の台詞が「腕落ちた」だったから、わざとなのかなあ、と思っていたらやっぱりわざとじゃなかったですね。
  • これは毎日かもしれないんだけど、26日の時には気付かなかったこと。最後血糊を浴びたライの、左目からちょうど血の涙みたいに一筋流れていたんだけど、最初あれは偶然そう飛んだのかと思ってぞっとしたんですが、カーテンコールの最初の挨拶の時にもそれをまだ拭っていなかったので、もしかしたらそういう風に描いたのかな?と。
  • 千秋楽恒例の煎餅撒きあり。幸四郎さんも最後まで残ってらっしゃったよー(そしてスタオベしてらっしゃったよ)。あと煎餅まきの間冠徹弥さん登場してサダヲちゃんと「血風ロック」熱唱!

よくよく考えたら、大阪でいじろうにもいのうえさんはtommyの稽古があるから大阪は観ないんだよね。残念だナーなんか。松竹座、新橋に較べてかなり間口狭いし、殺陣の間合いとかも変わってきそうでそのあたりも次の楽しみかな。2階で観るので、照明の技なども堪能したいです。

染さまと新感線が組むようになって、パンフでも言っていたけど新春公演をやらせてもらえるってのはやっぱここまで頑張ってきたからだよなあとしみじみ思う。二八だからとりあえずやらせてみて客が入れば万々歳、なところからのスタートで、それを新橋の1月にかけられるようになるとは、本当に染五郎さんは感無量なとこがあるだろうなあと思う。とはいえひとつコケたら次は無し、な部分だってまだまだあるわけだし、それがこういう見事な作品に結実して本当によかったなあ、と思います。大阪公演これからですが、二八なんのその!でぜひとも皆様劇場へ!って私は回し者か新感線の!